月間MVP候補の活躍見せるソン・フンミンが、ミックスゾーンで無言を貫くワケ

今シーズン、ソン・フンミン(27・トッテナム)のインタビュー記事には「丁重なお断り」というフレーズが度々登場している。

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スタジアムの出口付近に設けられたミックスゾーン(共同取材区域)では、毎試合後に選手が取材陣のインタビューに応えており、ソン・フンミンもこれまでほとんどの試合後で取材に応じてきた。

たとえチームが敗れても、自分を夜通し応援してくれた母国のファンのためにコメントを残していた。

しかし、今シーズンはその様相に異変が起きている。

10月5日のプレミアリーグ第8節ブライトン戦で0-3と敗れた直後、淡々とした面持ちでミックスゾーンに現れたソン・フンミンは、「ワールドカップ予選のためにすぐに帰国するのか」という記者の質問に首をうなずくのみで、すぐにその場を去っていった。

振り返ると、9月21日のリーグ第6節レスター戦で1-2と逆転で負けた際も、シーズン初アシストを決めたソン・フンミンは笑み1つ浮かべず、足早に立ち去った。10月2日に行われたUEFAチャンピオンズリーグのグループB第2節のバイエルン・ミュンヘン戦でも、今季CL初ゴールを挙げたにもかかわらず、2-7の大敗を喫し、彼の口が開くことはなかった。

ミックスゾーンを立ち去るソン・フンミン

第8節を終えて3勝2分3敗(勝ち点11)と8位まで落ち込んでいるトッテナムは、2014-2015シーズンにマウリシオ・ポチェッティーノ監督が就任以降、そして2015年にソン・フンミンが加入以降、最も悪い結果となっている。

2016-2017シーズンの5勝3分0敗(勝ち点18)、2017-2018シーズンの5勝2分1敗(勝ち点17)、昨シーズンの6勝2敗(勝ち点18)と比較しても、シーズン序盤から調子を大きく落としていることがわかる。

昨シーズンCL準優勝を成し遂げてから戦力にほとんど変化はないはずだが、第2節終了時点で未だ未勝利の今シーズンのCLでは、グループリーグ突破自体も危ぶまれている。直近2試合で10失点と守備が崩壊しているなか、追い打ちをかけるかのように正守護神のウーゴ・ロリスがブライトン戦で左肘を脱臼し、長期離脱を強いられることとなった。

ソン・フンミン個人のパフォーマンスが悪いわけではない。

第5節のクリスタル・パレス戦で2ゴール、第6節のレスター戦で1アシスト、第7節のサウサンプトン戦で1アシストと、低調なチームの中で気を吐いている。その活躍から、ソン・フンミンは9月のプレミアリーグ月間MVP候補にも選出されている。

また、ソン・フンミンは現在、欧州通算119ゴールと、韓国人選手最多得点記録(121ゴール)を持つチャ・ボムグンの記録にあと2ゴールまで迫っている。しかし、チームの不振によって“スマイルボーイ”の顔は依然曇ったままだ。

ブライトン戦を終え、ポチェッティーノ監督は「今、チームを評価することは難しい。開始早々に失点し、さらにはゴールキーパーまでも失った。ネガティブな状況を脱するために最善を尽くすが、私が今後の決定を下すことはできないだろう」と解任の可能性にも言及している。

孤軍奮闘するソン・フンミンの表情に笑顔が戻るのは、一体いつになるのだろうか。

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