昨年10月、大谷はエンゼルスと1年3000万ドル契約を結んだ。年俸調停の権利を持つ選手及び1年契約の額としてはメジャー史上最高額だ。
今やカギは2023シーズン終了後のFA契約だ。エンゼルスは現在、球団売却問題のほか、高額年俸契約者が多数いるため、大谷の記録的契約が容易ではない状況だ。
大谷を媒介に有望株を確保するトレードも不可能である方針を宣言した。ただ、2023シーズンのトレード締切期限を控えて方針が変わり、トレードをする可能性も完全には排除できない。
『ESPN』は専門家やフロント幹部、エージェントの言葉を借り、次のような可能性を提示した。
元メジャーリーガーでFA市場の動向に詳しいアナリストは、8年契約の年俸4500~5000万ドルを予測した。とあるエージェントは10年4億3000万ドルと予想した。これはマイク・トラウト(31、ロサンゼルス・エンゼルス)の12年4億2650万ドルを上回る金額だ。
とある球団の関係者は10年4億3000万ドルと推測した。これはトラウトの総額だけでなく、ニューヨーク・ヤンキースの年俸4000万ドルを上回る金額だ。総額と年俸でメジャー新記録更新が可能だという共通の予想だ。オフにロサンゼルス・ドジャースがFA市場に参入しなかった理由も、2023シーズン後に大谷を確保しようとする説が有力だからだ。
北米スポーツの歴史上、スーパースターの5億ドル契約者はまだ誕生していない。
最も近い選手が、NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)カンザスシティ・チーフスのパトリック・マホームズ(27)。彼は2020年、チーフスを50年ぶりにスーパーボウルに導いたQB(クォーターバック)だ。
チーフスは2020シーズン前にマホームズと10年4億5000万ドルの延長契約を締結した。米スポーツ史上最高額だ。しかし、マホームズの契約のギャラ額は1億4100万ドルに過ぎなかった。NFLは負傷と技量低下で契約期間が履行されない場合が多い。契約時に保証額を明らかにする。
『ESPN』は大谷が5億ドルに近い選手であると分析する。“プライムタイム”に多才多能さと柔軟性を兼ね備えた大谷は現役最高投手であり、トップクラスの打者という点からだ。2021年、2022年のwRC+(リーグ平均に対する得点生産力)でメジャー10位、最小200イニング累積投手内で9位にランクインした。すなわち、この2年間で打者と投手に対する最もバランスの取れた統合統計で上位8%に含まれたのだ。
大谷はオースティン・ライリー(25、アトランタ・ブレーブス)、ホセ・ラミレス(30、クリーブランド・ガーディアンズ)、ムーキー・ベッツ(30、ロサンゼルス・ドジャース)、マニー・マチャド(30、サンディエゴ・パドレス)、ラファエル・デバース(26、ボストン・レッドソックス)よりwRC+が高かった。
投手としては、アーロン・ノラ(29、フィラデルフィア・フィリーズ)、フランバー・バルデス(29、ヒューストン・アストロズ)、マックス・シャーザー(38、ニューヨーク・メッツ)、マックス・フリード(29、アトランタ・ブレーブス)、サンディ・アルカンタラ(27、マイアミ・マーリンズ)よりxFIP(奪三振・与四球・被本塁打による投手評価)が低かった。
このような記録の延長で、米スポーツ統計サイト『fangraphs.com』が調査したWAR(代替選手比貢献度)も17.4で最高であり、16.9のアーロン・ジャッジ(30、ニューヨーク・ヤンキース)をリードしている。
さらに『ESPN』は、記録よりも大谷がメジャーで成し遂げた業績を高く評価した。二刀流の元祖ベーブ・ルースさえ成し遂げられなかった大記録を作り出したと評価した。
現在のメジャー年俸最高記録はトラウトの12年4億2650万ドルだ。FA最高契約は昨年12月にサインしたジャッジの9年3億9000万ドルだ。今やこの2つの年俸記録を上回るのも時間の問題である。なお、大谷のエージェントはCAAスポーツのネズ・バレロだ。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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