元ガンバ大阪ファン・ウィジョに韓国が寄せる信頼…数字で証明する実力と進化

韓国代表のエース、ファン・ウィジョ(ボルドー)が、トルクメニスタン戦の“出撃準備”を終えた。

2022年カタールW杯に向かう本当の戦いが始まる。パウロ・ベント監督率いるサッカー韓国代表は9月10日午後11時(日本時間)、トルクメニスタンのアシガバートでカタールW杯アジア2次予選の第1戦を迎える。

去る9月5日にトルコで行われたジョージアとの親善試合(2-2で引き分け)を通じて、最後の点検を終えた韓国は、イスタンブールに滞在してトレーニングを続け、9月8日に決戦の地へと移動した。9月9日、公式トレーニングを通じて現地での適応をはじめ、準備をしている。

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司令塔の最大の悩みは、相手チームの“密集守備”にある。今年1月のアジアカップでベント監督は、守備中心のアジアチームに苦戦した経験がある。そのときの教訓を土台に、FIFAランキング37位である韓国は、トルクメニスタン(132位)を相手に万全の準備を行っている。

「獅子は兎を捕らえるにも全力を尽くす」というモットーの最前線に立つのは、絶対的なエースであるファン・ウィジョだ。ベント監督就任以降、チーム内の得点1位(9得点)を記録するストライカーに、韓国中の関心が集中している。

(写真提供=韓国サッカー協会)ファン・ウィジョ

時間、場所、ポジションも関係ない。数字で見るファン・ウィジョ

ファン・ウィジョはワールドカップ本大会に出場したことがない。昨年のロシアW杯では最終エントリーに入らなかった。得点経験はアジア予選でもない。2015年からAマッチ28試合で10ゴールを記録したが、ワールドカップ予選では0ゴールだ。

しかしベント監督は、2018年ジャカルタ・アジア大会の優勝メンバーを中心に世代交代に突入したときからファン・ウィジョを信頼し、最精鋭メンバー25人に絞った9月のAマッチ招集メンバーにも、当然のように名を連ねた。

ファン・ウィジョが韓国の最前線の担い手であることは、データが証明する。司令塔の絶対的な信頼は、ファン・ウィジョの変わらない活躍に起因する。

ベント監督就任以来、ファン・ウィジョが代表で決めた計9ゴールを時間帯別に分類してみると、0~15分1ゴール、15~30分2ゴール、30~45分0ゴール、45~60分2ゴール、60~75分2ゴール、75~90分2ゴールとなる。

立ち上がりが遅いスロースターターでもなく、後半(6ゴール)も集中力を維持する体力を備えていることがわかる。

ホームとアウェーも選ばない。

ファン・ウィジョは2018年10月12日にソウル・ワールドカップ競技場で行われたウルグアイ戦で、ベント監督指揮下で初めて得点をあげ、その1カ月後のオーストラリアで遠征試合の初ゴールを決めた。

現在まで韓国で行われた3試合で3ゴール、遠征5試合で6ゴールを記録しており、場所にとらわれない活躍を重ねてきた。

またワントップで出場したときも、ソン・フンミンなどとツートップを組んだときも、着実に実力を維持した。

ジョージア戦で確認された“得点1位”の進化

ファン・ウィジョのサッカーキャリアは、彼がワントップで実力を最大化する選手であることを示している。特に2列目からパスを受けたとき、ペナルティエリア内で見せる動きと瞬発力が優れているという評価だ。

Jリーグ進出後、ガンバ大阪でワントップとしてプレーして能力が大幅に向上し、それを基に一歩遅れて韓国代表となり、ベント監督の“皇太子”になった。ビルドアップを重視するベント式サッカーにおいて、自らスペースを作ってフィニッシュできる攻撃手は必要不可欠な存在だ。ファン・ウィジョのベント・コリアでの得点は、すべてペナルティエリア内から生まれた。

最終チェックとなったジョージアとの親善試合は、ファン・ウィジョの“進化”を確認できる舞台だった。

韓国はジョージアを相手に前半、先制ゴールを奪われて苦戦し、ベント監督はベンチに座らせていたファン・ウィジョを後半開始と同時に出場させた。ファン・ウィジョは左足シュートとヘディングで2度もジョージアのゴールネットを揺らし、ベント・コリアで初となるマルチゴールの活躍を見せた。

最終的に同点ゴールを許して引き分けたものの、以前と変わったファン・ウィジョの得点は大きく目立った。これまでファン・ウィジョが記録した7ゴールはすべて右足を通じたものだったが、今回は左足とヘディングで作った得点だった。

ベント監督は9月の招集メンバーを発表し、「今年のアジアカップ以降に行った親善試合4試合を見ると、3月の2試合は4-4-2フォーメーションで、6月は3-5-2と4-4-2を使った。今回の試合にもツートップで臨む可能性がある」という構想をすでに明らかにした。

ジョージア戦で先発出場したソン・フンミン(トッテナム)-イ・ジョンヒョプ(釜山)のツートップがうまく機能しなかったし、アジア予選のために初めて招集されたキム・シンウクは、まだ実戦に投入されなかった。

選手起用に保守的なベント監督の性格上、トルクメニスタン戦は、アジア大会の“金メダルコンビ”であるソン・フンミンとファン・ウィジョが有力な状況だ。そのなかでもファン・ウィジョは、ベント監督が最も信頼を置く最高の武器だ。

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