もっとも、最終戦の結果にあまり大きな意味はなかった。ホン・ミョンボ監督はこの試合、今季限りでの現役引退を表明した元大宮アルディージャのMFイ・ホ(38)のほか、ベテランFWパク・チュヨン(37)などを交代でピッチに送り出した。
2020年にプレイングコーチとして蔚山現代に2度目の復帰を果たしたイ・ホは、この日が復帰後最初で最後の公式戦出場。パク・チュヨンも今年7月以来、約3カ月ぶりのリーグ戦出場となった。それでも、水面下で厳しい仕事を引き受け、後輩たちを率いた先輩を配慮するべく、指揮官は彼らを出場メンバーに含めた。
試合後の優勝セレモニーはこの日一番の盛り上がりを見せた。2万人のホームファンは席を離れることなく、皆がスマートフォンで歓喜の瞬間を収めようとした。韓国プロサッカー連盟のクォン・オガプ総裁から優勝トロフィーを受け取ったイ・チョンヨンが両手で大きく掲げると、場内の歓声はさらに大きくなった。
GKチョ・ヒョヌ(31)やDFキム・テファン(33)、GKチョ・スヒョク(35)など、蔚山現代で長くプレーして“準優勝のトラウマ”に苦しんだ主力選手も感激に浸っていた。その後、シャンパンセレモニーを楽しんだ選手たちは家族とともにグラウンドで喜びに沸いた。
横浜F・マリノスからレンタル移籍中の元日本代表MF天野純(31)や、元ガイナーレ鳥取、アルビレックス新潟、浦和レッズのブラジル人FWレオナルド(25)、さらにはジョージア代表MFヴァレリ・カザイシュヴィリ(29)、そしてシーズン後半からの加入で優勝に大きく貢献したハンガリー代表FW(マルティン・アダム)など、外国人選手も家族と笑顔で記念写真を撮っていた。
蔚山現代のフロント陣やサポーター集団「チョヨンチョンサ」は、17年間の恨みを喜びの涙で洗い流した。
銅メダルに輝いた2012年のロンドン五輪以来、指導者として10年ぶりに再び表彰台に上ったホン・ミョンボ監督は、「ロンドンと今とではあらゆる違いがある。代表で成功した後は虚しさも多かったが、今はまったくそうではない。楽しくて気持ちいい。選手を祝福し、感謝を伝えたい」と感激した様子を伝えた。