韓国競馬の祭典「コリアカップ」に優勝独占の“日本馬”が出走できない理由

2019年09月03日 スポーツ一般

韓国馬事会(KRA)が来る9月8日、ソウル競馬で国際レース「コリアカップ」と「コリアスプリント」を開催する。

全世界の競走馬を招待する韓国の“競馬ワールドカップ”といえるコリアカップ(ダート1800m)は、今年で4回目を迎えた。コリアスプリント(ダート1200m)も同じで、それぞれ長距離、短距離の最強馬を決める。

今年はコリアスプリントの賞金が3億ウォン(約3000万円)増額され、各10億ウォン(約1億円)の計20億ウォン(約2億円)をかけたレースとなる。

韓国競馬の最高賞金総額がかかった国際レースであるだけに、誰もが出走できるわけではない。韓国馬事会は「国際レース出走馬選定委員会」を通じて競走馬を選出し、レースの質を徹底的に管理した。

1次登録の結果、アメリカ、イギリス、香港、フランスが参加の意思を明らかにした。いずれも世界の競馬国分類上、最も高い評価である「PART1」に属する国々だ。

興味深いのは、過去のコリアカップ第1~3回で優勝を独占した日本からの参戦がないということだろう。韓国国民の情緒を考慮して、韓国に対する経済規制を続ける日本を招待から除外したという。

韓国馬事会のある関係者は、「これまで日本は地理的に近い利点を生かし、優れた競走馬をたくさん出場させて賞金を独占してきた。しかし今年は、最近の韓日関係の悪化によって、日本馬が活躍する姿は良くないという意見が出て、除外を決定した。そのかわりさまざまな国の競走馬に出場機会が与えられた」と伝えた。

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競馬では各国の競走馬の能力を比較するために、「国際レーティング」という能力指数を使う。数字が大きいほど強い馬で、現在、世界の競走馬ランキング1位の数字は127だ。

今回のコリアカップには、国際レーティング112の「Lone Sailor」号(アメリカ)が出走する予定で話題となっている。ちなみに出走予定の海外馬の平均国際レーティングは、コリアカップが103、コリアスプリントが102。これまで以上にハイレベルなレースとなる見込みだ。

コリアカップとコリアスプリントは、「国際G3」に昇格している。韓国馬事会の関係者は、「今年は韓国の競走馬とアメリカ、欧州の競走馬によるレースであるところが観戦ポイント」と伝えた。

また韓国馬事会は、アメリカ、イギリス、オーストラリアなど10カ国に「コリアカップ」と「コリアスプリント」の実況を届ける計画だ。

特に香港とマカオは、定期的に韓国のレースを出走させる国ではないが、今回の国際レースデー(9月8日)に限っては、例外的に韓国レースに出走馬を準備しており、海外売上高の増加が期待される。

レース実況の海外輸出事業は、2014年2カ国で始まり、2016年の国際レース開催をきっかけに10カ国へと拡大しており、韓国競馬の海外広報と国際化事業に貢献している。

韓国馬事会キム・ナクスン会長は、「国際レースであるコリアカップとコリアスプリントは、海外出走馬のレベル、賞金規模が韓国競馬の最高レベルであるだけでなく、世界的にも遜色がなく、韓国競走馬の能力を試験することができる舞台になる見通しだ。海外の競走馬を相手に韓国を代表する競走馬が善戦できるように、多くの応援をお願いしたい」と伝えた。

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