検察は「2015年8月20日19時から20時の間、野球部の宿舎近隣で被害者に危険な物である電子ハエ叩きに指を差し込ませるなど傷害を負わせた。同一の被害者と同級生に身体特定部位を叫びながら歌わせたり、律動させたりするなど、性的羞恥心を感じさせた。また同年1月、台湾の転地訓練宿舎で被害者の部屋を訪れラーメンを奪おうとしたが、それに応じないと、同級生6~7人を呼んで頭立ち(体をくの字に曲げ、頭と両足で支える体勢)などを強圧的に指示した」と公訴理由を明らかにした。
対してイ・ヨンハの法律代理人であるキム・ソンウン弁護士(法務法人ジアム)は、「公訴事実を否定する。容疑自体がない」と検察側の控訴内容を否定。キム弁護士は、検察が被害者の陳述などをもとに作成した証拠文書49項目中19件に対して“立証趣旨否認”した。否認した19件に対する立証は、検察がしなければならないという意味だ。
すると検察は、被害者と目撃者のイ氏を証人として申請。キム弁護士はイ・ヨンハが2015年当時、被害者の同級生たちと交わしたメールと、事件当日、学校の夜間警備員の事実確認書を追加証拠として提出した。
イ・ヨンハ側の証人は、被害者尋問が終わったあと、陳述などを土台に決める予定だ。キム弁護士は「被害者の証言を聞いて、私たちが必要な証人を申請し、証明する計画だ。被害者の主張を裏付けるだけの直接的な証拠はない。被害者と目撃者の供述がすべてだが、(公訴状に摘示した部分は)釈明できる反証がある」と自信を示している。
証人尋問は12月9日に開かれる予定だ。キム弁護士は「被害者は学校生活を送るうえで色々な困難を感じた可能性はあると考える。理解できる部分」とし、「記憶の歪曲があり得る。イ・ヨンハが関与していない他の事件と(記憶が)混同された可能性もあるため、この部分も証明できるよう努力する」と明かした。
続いて「次の尋問期日まで2カ月以上残っているが、証人尋問の時に裁判所が的確な判断を下せるよう準備しなければならないようだ」と話した。