9月11日時点で打率1位は0.342のピレラだ。ところが、イ・ジョンフも打率を0.342としている。
ピレラは打率0.3424(473打数163安打)、イ・ジョンフは0.3422(485打数166安打)と、本当にわずかの差でピレラがリードしている。ただ、ほぼ毎試合で打率の1位と2位は入れ替わっている。
打点では97点のイ・ジョンフがキム・ヒョンス(34、LGツインズ)とともに首位タイに立ち、ピレラは95点で3位につける。
そのほか、安打数ではイ・ジョンフが1位(166本)でピレラが2位(163本)、出塁率ではピレラが1位(0.415)でイ・ジョンフが2位(0.415)、長打率ではイ・ジョンフが1位(0.569)でピレラが2位(0.561)と、打撃面で強固な“2強体制”が作り出されている。
韓国野球委員会(KBO)授賞対象の打撃8部門(打率、本塁打、打点、盗塁、得点、安打、出塁率、長打率)のうち、5部門のトップにイ・ジョンフかピレラがいる。
ちなみに、ピレラは得点でも87点で2位と、89点で1位のパク・ヘミン(32、LGツインズ)に迫っているため、最大6冠の可能性も残している。
両者の今後の争いを握るのは残り試合だ。イ・ジョンフは残り16試合、ピレラは残り20試合としている。2人が最近のペースのままシーズン終了まで戦った場合、ピレラがイ・ジョンフより優位な立場にあると言える。
一方、WAR(代替選手比貢献度)ではイ・ジョンフがピレラをリードしている。
守備ポジションとパークファクターが反映されたWARで、イ・ジョンフが7.81位で野手1位の反面、ピレラは6.45で野手2位だった。
中堅手を務め、「投手に優しい球場」こと高尺(コチョク)スカイドームで活躍するイ・ジョンフが、左翼手を務め、「打者に優しい球場」こと大邱(テグ)サムスン・ライオンズ・パークで活躍するピレラよりも高く評価されている。
もちろん、WARはシーズン終盤にいくらでも変動することがあるため、今後本塁打を複数放つ試合などがあれば、WARは大きく跳ね上がることになる。
なお、投手では元セントルイス・カージナルスのキム・グァンヒョン(34、SSGランダース)と、アン・ウジン(23、キウム・ヒーローズ)が年間MVPの有力候補に挙げられる。
昨季まで米メジャーリーグ(MLB)でプレーしたキム・グァンヒョンは、今季の韓国プロ野球でリュ・ヒョンジン(35、トロント・ブルージェイズ)以来12年ぶりとなる1点台の防御率に挑む。9月11日に行われたハンファ・イーグルス戦で、キム・グァンヒョンは6回無失点の好投で防御率を2.02から1.92へと下げた。
一方のアン・ウジンは最多勝、イニング、防御率でいずれも5位以内に位置しており、奪三振数では186個と群を抜いている。
過去のMVP受賞者を振り返ると、野手の場合は40本塁打前後、投手の場合は20勝前後がMVPへの近道だった。ただ、今季は40本塁打を打つ打者と、20勝を挙げるような投手が出てくることは難しい見通しもある。
その代わり、複数の部門で輝かしい結果を残した打者や投手が、トップに立つものとみられる。