韓国球界に復帰する元阪神オ・スンファンへの“厳しい視線”が消えない理由

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“セーブ王”が韓国プロ野球に復帰する。大いに歓迎すべきニュースだ。

オ・スンファンの帰還は、韓国プロ野球界を興奮させている。すでに彼の登場曲『Lazenca, Save Us』が大邱サムスン・ライオンズ・パークに鳴り響いているようだ。

オ・スンファンは“石直球”と呼ばれるストレートを武器に、KBOリーグでシーズン最多セーブ新記録、3年連続で最多セーブのタイトル獲得など、栄光を独占した。サムスン・ライオンズは通算8回優勝したが、そのうち5回はオ・スンファンが仕上げを飾った。

優勝が決まった瞬間、オ・スンファンがバッテリーを組んだ捕手チン・ガプヨンと抱擁するシーンは、韓国プロ野球の歴史に残っている。

韓国を平定したオ・スンファンは、日本に渡った。阪神タイガースに所属し、初年度から頼もしい守護神として活躍した。外国人投手のデビューシーズン最多セーブ記録を打ち立て、韓国人初のセーブ王となった。翌年も活躍し、2年連続でセントラル・リーグ最多セーブ投手のタイトルを獲得した。

オ・スンファンはその後、メジャーリーグに進出する。セントルイス・カージナルス、トロント・ブルージェイズ、コロラド・ロッキーズでブルペン投手として活躍し、16勝13敗、45ホールド、42セーブ、防御率3.31を記録した。

オ・スンファンは今シーズンまでロッキーズと契約していたが、肘の手術を受けることとなり、韓国プロ野球に電撃復帰することになった。そんなオ・スンファンは日米韓のプロ野球を経験し、いつの間にか30代後半になった。それでもリハビリが終われば、再び驚異的な投球を見せてくれると期待される。

しかし復帰するオ・スンファンに対して、厳しい視線もある。

オ・スンファン

オ・スンファンは2016年の海外賭博疑惑により、韓国野球委員会(KBO)から72試合の出場停止処分を受けた。オ・スンファンが8月6日に古巣サムスンと年俸6億ウォン(約6000万円)の契約したことで、出場停止処分はすぐに課せられた。オ・スンファンは2020年4月以降に出場が可能となる。

【関連】復帰するオ・スンファン「年俸6億ウォン」の意味とは

しかし問題は、その出場停止処分が実際にはなんら効力がないというところにある。オ・スンファンは、すぐに肘の手術を受ける予定だからだ。リハビリの時期と懲戒期間が重なっており、懲戒の意味が薄れている。

サムスンとオ・スンファンの速戦即決の契約が規定上、問題となることはない。互いに最善の道を見つけて、選択しただけだ。しかし制度の盲点をついて、反省すべき時間をリハビリ期間に置き換えたのも事実だ。

懲戒を下したKBO側は、困惑を隠せない。

そんな事態を見ていると、2つの事例が思い浮かぶ。

まずサムスンはこれまで、球団のイメージを失墜させた選手に厳しい対応をしてきた。イム・チャンヨン、アン・ジマン、チョン・ヒョンシクが放出され、最近ではパク・ハンイが飲酒運転で引退した。

しかしサムスンは、今シーズン1試合も出場できないオ・スンファンに、年俸6億ウォンを与えている。不公平だという論議が起きて当然の背景だ。

もうひとつの事例は、2015年12月にさかのぼる。不法賭博を調査していた検察の矛先がイム・チャンヨンに続き、オ・スンファンに向かった。オ・スンファンは法律代理人を通じて「早く疑惑を払拭したい」と、潔白を主張した。

しかし数日後、オ・スンファンは検察に召喚されるやいなや、違法賭博の事実を認めた。すぐにばれる嘘をついたのだ。

さらに年が明けた2016年1月、カージナルス入団記者会見でオ・スンファンは再び嘘をつく。マカオのVIPルームでギャンブルすることが違法であることを知らなかったと話したのだ。

マウンド上のオ・スンファンは、ピンチでも正面突破を選択し、堂々と“石直球”を投げる。しかしマウンド以外では、嘘も選択した。今回のサムスン復帰は違法ではないが、奥の手と小細工で懲戒期間をリハビリ期間に変えた。

オ・スンファンの復帰は歓迎すべきことだが、彼に対する厳しい視線が消えないのは、そんなところに理由がある。

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