「日本球界をよく知る人物」元中日・宣銅烈氏、2023年WBCを戦う韓国代表監督就任の可能性

2018年ジャカルタ・アジア大会で金メダルを首にかけても、その座を降りることを決断した。結局、2019年プレミア12、2021年東京五輪で指揮を執ることを放棄し、韓国野球も両大会で目標を達成できなかった。

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来年3月には世界最高峰の国際大会が開かれるなか、再び指揮官の座に就くかに関心が集まっている。現役時代に投手として中日ドラゴンズでも活躍したソン・ドンヨル(宣銅烈)氏のことだ。

ソン・ドンヨル氏は7月12日、蚕室(チャムシル)球場で行われた韓国プロ野球KBOリーグのLGツインズ対KIAタイガースの試合を現地観戦した。

現在は野球韓国代表と無関係な立場にいるソン・ドンヨル氏だが、韓国野球委員会(KBO)のホ・グヨン総裁は、KBO発足40周年に際し、韓国野球に貢献したレジェンドたちを球場に招待している。

この日もソン・ドンヨル氏のほか、元韓国野球ソフトボール協会長のキム・ウンヨン氏、元高麗大学監督のイ・ジョンド氏、元一球会副会長のキム・ユドン氏が、並んで試合を見守っていた。

LG対KIAを観戦するソン・ドンヨル氏(左端)

一見、レジェンドがただ試合を見守っていただけに見える光景だが、もしかすると、この場が2023年WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)のメンバー構成を決定するスタート地点になり得る。

というのも、韓国球界では現在、多くの関係者がWBCで韓国代表を率いる監督として、ソン・ドンヨル氏の名前を挙げているのだ。ソン・ドンヨル氏が4年前に抱いた残念な気持ちを、来るWBCで払拭し、再起する舞台になると期待する声もある。

因縁の“韓日戦(日韓戦)”が日本の東京ドームで開催される点、短期決戦で投手陣の運用が成否を分ける点などを考慮すれば、ソン・ドンヨル氏が適任だという主張も説得力がある。

この日のLG対KIAの試合では、2018年ジャカルタ・アジア大会でソン・ドンヨル氏が韓国代表を率いた当時のメンバーであるLGのキム・ヒョンス(34)、オ・ジファン(32)、パク・ヘミン(32)、そしてKIAのヤン・ヒョンジョン(34)が出場していた。

彼らは2023年WBCでも韓国代表に選ばれる可能性がある。この大会は、キム・ヒョンスやヤン・ヒョンジョンのほか、キム・グァンヒョン(33、SSGランダース)など、韓国野球の一時代を築いた主役たちの最後の国際大会となるかもしれない。

ソン・ドンヨル氏がKBOから韓国代表監督の提案を受けていたのであれば、彼らのプレー一つひとつを注意深く見守っていたはずだ。この試合ではヤン・ヒョンジョンが6イニング無失点、オ・ジファンが4打数2安打の活躍を披露していた。

ジャカルタ・アジア大会で韓国代表監督を務めた当時のソン・ドンヨル氏

そもそも、昨夏の東京五輪ではソン・ドンヨル氏が韓国代表を率いるはずだった。

ソン・ドンヨル氏は現役時代、日本プロ野球で活躍し、現在も日本球界とのネットワークを維持している。日本の野球人はもちろん、日本メディアもソン・ドンヨル氏の現役時代は今も鮮明に覚えている。“日韓戦”に臨むにあたって、監督ほど相手をよく知る人物もいない。

ソン・ドンヨル氏は2018年ジャカルタ・アジア大会をもって韓国代表監督を退いた後も、野球とのつながりを維持していた。

野球のスタディクラブには欠かさず参加し、トラッキングデータを勉強すると、これに関する本を出版した。また、冬になると球団のキャンプに投手インストラクターとして参加し、若手投手にアドバイスを送った。今年で59歳になるソン・ドンヨル氏だが、現代野球のトレンドやKBOの潮流は見抜いている。

ひとまず、WBC技術委員会の構成は終えている。次の段階は監督の選任とコーチングスタッフの決定、そして予備メンバーの発表。このうち、最も優先なのは監督の専任だ。

ソン・ドンヨル氏以外では、サムスン・ライオンズやLGで監督を務めたリュ・ジュンイル氏が候補に挙げられるなか、近く韓国代表の新監督が発表される見通しだ。

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