6月1日、J1の柏レイソルと茨城代表の筑波大学による「天皇杯JFA第102回全日本サッカー選手権大会」2回戦が、三協フロンテア柏スタジアムにて行われた。
天皇杯を非常に重視しているという、柏レイソルのネルシーニョ監督は、「今シーズン、続けてリーグ戦を戦っているメンバー」で試合に臨んだ。
筑波大学の小井土正亮監督も、「学生にとってはこんな素晴らしいところでプレーできることそのものが喜びだし、ほぼベストメンバーと言っていいレイソルさんのメンバーと、今日できたことで、選手たちは何ものにも代えがたい良い経験をさせたもらったと思う」と試合後に語った。
試合は後半14分に高橋祐治のミドルシュートがネットに突き刺さり、1-0で柏レイソルが勝利を収めた。
小井土正亮監督は「勝ちに行っていたので、負けたという事実に対しては、悔しいの一言。見ているお客さんも弱腰で、逃げ腰で何とか0-1にしたというゲームではないということは、理解していただけると思う」と振り返った。
失点の場面については、筑波大学に「隙はなかった。相手の高橋祐治選手が素晴らしかった。あれは偶然ではなくて、札幌戦でもやっているし、そこの個の力の差が出ただけだった」と評価。
「我々はやるべきことを90分間通して、ほぼパーフェクトにやっていたし、あの瞬間何かが抜けていたというわけではなくて、相手を褒めるしかないプレーだった」
この試合で何度も左サイドでドリブルで相手を剥がしてチャンスを作った筑波大学の田村蒼生は、「試合をしてみて勝てると思っていた」とコメント。
小井土正亮監督は田村蒼生の活躍について、「柏レイソルで育てていただいた選手なので、この試合にかける思いは非常に強かったと思う」とし、加えて「山内翔、角昂志郎などは、アンダーカテゴリーの代表だった選手でもあり、大学に来た意味というのを、こういう試合で証明したかったのだと思う」と説明した。
「もちろん大学リーグのなかでも、すべてが良いプレーをできているわけではないが、自分が大学に来た意味を証明したいというなかで、ほぼすべてを出し切った結果、勝てなかったという事実が残った。“良くやってくれたけど、やっぱりまだ足りないんだよね、俺らは”、という評価になってしまうし、彼らもそれを自覚していると思うので、これから日常から変わって行ってくれると思う」と期待を込めた。
(文=玉昌浩)
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