浦和レッズをアウェーで撃破!! 蔚山現代キム・ドフン監督の“神がかりな用兵術”

2019年06月20日 サッカー #ACL

チュ・ミンギュ、そしてファン・イルスと蔚山司令塔の“お気に入り”が得点を記録した。

蔚山現代は6月19日、埼玉スタジアムで行われたアジアサッカー連盟チャンピオンズリーグ(ACL)16強・第1戦で浦和レッズと対戦し、2-1の逆転勝利を飾った。

蔚山は前半37分に浦和の杉本健勇に先制ゴールを許したが、その5分後にチュ・ミンギュのヘディングシュートで同点に追いつく。そして後半35分、途中出場したファン・イルスのミドルシュートで見事な逆転勝ちを収めた。

これによって最近公式戦5試合で無敗を記録した蔚山は、2万人を超える一方的な応援を背負った浦和をアウェーで制圧した。

来る6月26日に蔚山のホームで行われる第2戦が引き分けに終わっても、8強進出が可能という有利な状況だ。さらに浦和は最近、韓国遠征で6連敗を記録しており、蔚山が普段通りの実力だけ発揮すれば、準々決勝に進出すると思われる。

この日の勝利は、実利と名分の“2兎”を得る結果となった。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)逆転ゴールを決めたファン・イルス(左)を激励するキム・ドフン監督

試合前、蔚山現代キム・ドフン監督は「クラブ対抗戦であり、国家対抗戦」と覚悟を示した。日韓戦として自尊心を守らなければならなかったし、2012年以来となるACL優勝のためには勝利が必要だった。

【関連】浦和に挑む蔚山キム・ドンフン監督の覚悟とは?

司令塔は最前線を任せる選手として、チュ・ミンギュを選んだ。序盤に訪れるチャンスを逃さず前半をうまくしのぎ、チーム得点首位のジュニオール・ネグランを後半に投入して、勝負をかけるという計算だった。

実際にキム・ドフン監督はすでにメディアデーで、試合序盤の様子見を予告していた。浦和が5月に監督を交代したため、実際の戦術をピッチで確認する必要があったからだ。

前半からキム・ドフン監督の計算は正確に的中した。蔚山の前半のボール支配率は28%に過ぎなかった。シュート数も浦和が9本、蔚山は3本だ。しかし、たった1度のチャンスを得点につなげる効率的なサッカーで、スコアのバランスを合わせた。

主人公はワントップで起用されたチュ・ミンギュだった。

前半42分、イ・グノのクロスをチュ・ミンギュが頭で合わせた。5分前に許した浦和のゴールとまったく同じコースだった。同点ゴールを奪ったチュ・ミンギュは、スタジアムを埋め尽くした浦和ファンに向かって悠々と「聞こえない」といったゴールセレモニーをプレゼントした。パク・チソンやイ・ドングッが埼玉スタジアムで行った“散歩セレモニー”のアップグレードバージョンだった。

キム・ドフン監督は後半20分、チュ・ミンギュをベンチに呼んだ。そのポジションには主砲ジュニオールが投入されると思われたが、ピッチに姿を現したのはファン・イルスだった。

後半最初の交代カードも、驚くほどぴたりと的中した。後半35分、キム・ボギョンからのパスをセンターサークル付近で受けたファン・イルスは、エリア手前まで持ち込んで右足一閃。ゴールに吸い込まれたボールを確認した彼は、蔚山のサポーターの前に走っていった。負傷から復帰したファン・イルスは、今季公式戦初ゴールの喜びを日本にまで駆けつけた蔚山ファンと味わった。

今シーズンの節目ごとに発揮されるキム・ドフン監督の“神がかりな用兵術”は、日本サッカーの聖地と呼ばれる埼玉でも通用した。

キム・ドフン監督は「私たちを応援しに日本まで来てくれたファンのおかげで勝つことができた。感謝する」とし、「相手が攻撃的に出てくることを予想して後半に勝負をかけようと思ったが、選手たちが上手くやってくれたおかげで逆転することができた。最後まで守った部分も良かった」と話した。

チュ・ミンギュとファン・イルスの用兵術が成功したことについては、「浦和戦の準備しながら、その選手たちのコンディションが最も良かった」と、準備過程を信じたことが勝因であることを伝えた。

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