韓国プロ野球KBOリーグのLGツインズは、今年1月にサンフランシスコ・ジャイアンツ所属のアンドリュー・スアレス(29)と60万ドル(契約金20万ドル・年俸40万ドル)契約を結んだ。
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そして、契約に先立ち、LGはスアレスがジャイアンツから離れてFA(フリーエージェント)資格を得られるよう、ジャイアンツに移籍金40万ドルを伝達した。
韓国プロ野球の規定上、初めてプレーする外国人選手は契約規模が総額100万ドルを超過してはならない。LGはその100万ドルを使い切り、スアレスの獲得に踏み切った。
これはオフシーズンによく見られることで、MLBの球団に所属する外国人選手が韓国プロ野球の球団と契約するすべての場合に当てはまる。
球団は移籍金100万ドルを使い果たして選手を補強する。2021シーズンを斗山(トゥサン)ベアーズでプレーしたウォーカー・ロケット(27)も、斗山側がロケットの前所属球団であるトロント・ブルージェイズに移籍金を支給した。
斗山で強烈なシーズンを過ごした後、MLBに“Uターン”したクリス・フレクセン(27、シアトル・マリナーズ)もそうだった。2019年冬、斗山はフレクセンの前所属球団であるニューヨーク・メッツに移籍金を支給し、フレクセンは翌2020年を韓国プロ野球でプレーした。
しかし今冬、MLBに“ロックアウト(施設閉鎖)”の可能性が浮上した。MLB機構と選手会が来る12月1日までに新たな労使協定(CBA)を締結できなければ、MLBは事実上のストップ状態となる。
FA契約を含めたすべてのオフシーズンの活動が不可能となり、MLB球団と韓国プロ野球球団間の移籍交渉も不可能となる。
アメリカ現地でロックアウトを既成事実と見る見方が支配的ななか、MLB選手のFA契約もスピード感が増している。彼らは12月2日のデッドラインを前にFA契約を結ぶことを急いでいる。
こうした状況なだけに、MLB球団とエージェントも内部に集中するしかない。つまり、韓国プロ野球球団と移籍金交渉をする暇がないという意味だ。
韓国プロ野球の首都圏を本拠地とするA球団のオーナーは「いま、MLB球団は韓国へと発つ選手に気をまわせていない状況だ」とし、「移籍金をもらって韓国に送る選手はMLB球団で戦力外の判定を受けた選手だ。ある程度MLB球団の戦力構成が終わった時点で移籍金交渉を行っているが、いまのようにロックアウトを控えている状況では、いつその時点になるかはわからない」と説明した。
地方のB球団のオーナーも、「ロックアウトの可能性により、40人ロースター入りした選手を獲得することは難しい状況だ。ロックアウトの状態では不可能だ」と明らかにした。
外国人選手の獲得そのものが不可能なことではない。球団から放出されてFAになった選手は、いくらでも韓国プロ野球の球団と契約することができる。
ただ、いわゆる“トップクラス”の選手は40人ロースターに含まれる可能性が高い。
獲得候補に挙がっていた外国人選手が軒並み日本の球団と契約し、ただでさえめぼしい選手がいない状況であるにもかかわらず、ロックアウトの問題も迫っている。
いつにも増して外国人選手の獲得が難しいストーブリーグだ。既存の外国人選手の再契約の比重は大きくなるしかない。
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