MLB事務局と選手労組は、12月2日(米現地時間)までに新労使協約(CBA)を結ばなければならない。CBAが締結されなければ、「ロックアウト(合意するまで企業(ここではMLB)が組合員を締め出すこと)」に突入してしまう。
ロックアウトの状況では、FAやトレードなど、全てのオフシーズン活動が停止される上に、選手が球団施設で練習するのも不可能となる。
アメリカの現地メディアは、MLBが1994年以後、初めて中断される可能性があると見ているようだ。それほどMLB事務局と選手労組の立場の違いが大きい。
仮に12月2日からロックアウトに突入すると、FA選手の何人かはアジアに目を向けるはずだ。
これは、2011年に起きたNBA選手大量流出から来る予測だ。当時、NBA(男子プロバスケットボール)は労使交渉決裂に伴うロックアウトにより、従来よりも2カ月遅い12月25日に開幕。1チーム当たりの試合数も82試合から66試合に減少していた。
当時、ウィルソン・チャンドラー(デンバー・ナゲッツ→浙江ライオンズ)、J・R・スミス(デンバー・ナゲッツ→浙江ゴールデンブルズ)のように、主力選手らがヨーロッパまたは中国のチームと契約を結んだ。
マイアミ・ヒートに席を置いていた“キング”レブロン・ジェームズにいたっては、NFL(アメリカンフットボール)選手への転身も考えたほどだという。
その後、NBAのロックアウト終了に伴い、アメリカへと戻った選手もいたが、契約を守ってシーズン終了までプレーした選手も少なくなかった。
そして今回、この現象が野球界で起こると見られている。