ACL決勝Tで2試合連続得点!浦項の“偽9番”イ・スンモ「最高のシナリオが現実に」【インタビュー】

2021年10月19日 サッカー #ACL #Kリーグ

「ACLに良い機運があるみたいだ」

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浦項(ポハン)スティーラースのMFイ・スンモ(23)は今シーズン、本職である中盤ではなく最前線でフォワードの役割を任され続けている。

今季新加入のブルガリア人FWボリス・タシチー(28)は不振と負傷で戦列離脱中。ストライカー不在の状況のなかで、イ・スンモがその重責を引き受けたのだ。

ただ、イ・スンモは今季リーグ戦で29試合に出場して2アシストのみ。シュートがポストを叩く不運もあり、国内では未だ無得点に終わっている。

だが、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)での姿は違う。タイで集中開催されたグループステージで1ゴールを決めたイ・スンモは、アウェーで行われたセレッソ大阪との決勝トーナメント1回戦で決勝点となる先制ゴールを決めると、韓国・全州(チョンジュ)で集中開催の準々決勝では名古屋グランパス相手に勝負を決定付けるゴールを決めた。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)名古屋戦でゴールを決めたイ・スンモ

前線起用に批判もあったが…

「想像だけしていた最も良いシナリオが現実になった。ゴールもベスト4進出も夢のようだ。信じられない」と率直な思いを吐露したイ・スンモは、「リーグ戦では試合をすればするほどプレッシャーが大きくなった。ACLではグループステージで得点したこともあってか、プレッシャーは少し減った」と述べた。

名古屋戦の得点はまさに“ワンダーゴール”だった。相手DFを巧みなボールタッチで交わすと、最後は右足から放った強烈なシュートがゴールネットに突き刺さった。

イ・スンモは「ひとまずボールを奪おうと思っていた。シュートのときは強く蹴ることだけを考えた」とし、「一瞬、ポストを叩くんじゃないかと思って心臓が縮み上がった。結果的にゴールできてよかった」と、得点シーンの裏側を明かした。

一部からは「イ・スンモをなぜ前線で起用するのか」と批判の声もあった。それでも、浦項を指揮するキム・ギドン監督はイ・スンモを辛抱強く前線で使い続けた。そして、イ・スンモは重要な試合で貴重なゴールを決めて期待に応えた。

「監督は“常に自信を失わずによくやっている”と言ってくれた。(ゴールできなくて)いつも申し訳なく思っている」というイ・スンモは、プレッシャーからキム監督に相談をしたこともあった。

「実際、控えでも良いから(本職の)守備的MFでプレーしたいと思っていた」と明らかにした彼は、「FWでなくてもプロであれば発展していく姿を見せなければならない。得点がなかったことで自ら萎縮したこともあったが、少しずつ感覚をつかみ始めている。僕は監督を信じているし、監督も僕を信じている。監督には考えや計画があるみたいだ」と笑った。

来る20日に行われる準決勝の相手は蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)。“東海岸(トンへアン)ダービー”と呼ばれる両チームの伝統の一戦が、アジアの舞台で開かれることになった。ただ、今季は3試合戦って浦項が1分2敗と負け越している状態だ。

イ・スンモは「常に僕たちがシーズン終盤に勝利してきた。ジンクスは存在しているような気がする。全州で行われる一味違った東海岸ダービーだが、ワクワクしているし緊張感もある。楽しみだ。精神的にしっかり武装する。決勝というつもりで準備する。より切実に、最前線からもっと頑張りたい」と、並々ならぬ覚悟を伝えた。

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