1998年1月生まれのチョ・ギュソンは、Kリーグ2(2部)のFC安養(アニャン)ユースである安養工業高校を経て、2019年にトップチームでプロデビュー。ルーキーイヤーながら同年シーズンはリーグ33試合で14ゴール4アシストを記録し、Kリーグ2の年間ベストイレブンに選出された。
これらの活躍が評価され、翌2020年にはKリーグ1(1部)王者の全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースへと移籍。しかし、国内屈指の選手が揃うチームで主力争いに苦戦し、出場した試合でもパフォーマンスに物足りなさを感じさせた。
シーズン終了後、チョ・ギュソンは早期入隊を決意。そして、国軍体育部隊傘下のサッカーチームでKリーグ2を戦う金泉尚武(キムチョン・サンム)に今シーズンから入隊した。
チョ・ギュソンは金泉尚武で迎える新シーズンの開幕前、“バルクアップ”に取り組んだ。「チョン・テウク(24、大邱FC)とのフィジカルバトルで負けたことが悔しかった」と話す彼は、徹底的なウェイトトレーニングに集中した。
その成果もあってか、チョ・ギュソンの体つきは昨シーズンと比べて大きくなり、コンタクトの部分でも当たり負けしなくなった。そして今回、Kリーグ2での安定した活躍によって、ベント監督の“ラブコール”を受けた。
チョ・ギュソンは初めて足を踏み入れるA代表の舞台で、自身のロールモデルであるFWファン・ウィジョ(28、ボルドー)と同じ空間をともにする。
チョ・ギュソンはあらゆる面でファン・ウィジョと似ている。まず、身長が185センチと、183センチのファン・ウィジョと大差ない。ペナルティボックス付近を自由に動き回ってスペースを生み出し、どの角度からも積極的にシュートを試みるプレースタイルも類似している。
実際、チョ・ギュソンは以前に行われたインタビューでファン・ウィジョについて「現時点で(ファン・ウィジョを)防げるDFはアジアにいない。動き出しが完璧だし、ゴールも簡単に決める。プレーを見て多くを学んでいる」と語ったことがあった。
チョ・ギュソンは東京五輪を戦ったU-24韓国代表から落選したことで、同大会にオーバーエイジ枠で出場したファン・ウィジョとともにプレーできなかった。だが、今回のA代表招集により、目の前でロールモデルから学ぶことができる機会を得たわけだ。
チョ・ギュソンとしては絶対に逃せないチャンスだろう。同じポジションで切磋琢磨してきた同世代のFWオ・セフン(22、蔚山現代)に代わり、ベント監督の選択を受けたからだ。さらには、去る6月の2次予選メンバーだったベテランFWキム・シンウク(33、上海申花)をも抜いて、A代表に合流することになった。
今回の招集で優れた活躍を見せられれば、安定して代表に定着できる可能性もある。ベント監督は「チョ・ギュソンは技術的に優れ、空中戦にも優れている。DFラインを上手く利用できるという特徴もある。どのようにチームに溶け込むのかを観察したい」も期待を示す。
果たして、チョ・ギュソンは初のA代表の舞台でアピールに成功することはできるのだろうか。韓国は来る9月2日にソウルワールドカップ競技場でイラク代表、7日に水原(スウォン)ワールドカップ競技場でレバノン代表と対戦する予定だ。