韓国代表の4番と6番のバットから、最後まで快音は聞こえなかった。
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8月4日に横浜スタジアムで行われた東京五輪野球の準決勝で、韓国は日本に2-5で敗れた。韓国は、“エース”山本由伸(22)をはじめとする日本の投手陣を攻略することができなかった。
特に、今回のオリンピックで不振が続いているヤン・ウィジ(34)とオ・ジェイル(34)は、“日韓戦”でも無安打に終わった。
この日、ヤン・ウィジは「4番・捕手」、オ・ジェイルは「6番・一塁手」で先発出場した。試合前まで、ヤン・ウィジは打率0.143、オ・ジェイルは打率0.214にとどまるなど、中心打線にもかかわらず安打がほとんど見られずにいた。
結局、その不振は日本戦でも続いた。ヤン・ウィジは4打数4三振、オ・ジェイルは3打数2三振という結果に終わった。
東京五輪を戦う今回の韓国代表は、これまでの国際大会と比べて打線の爆発力が足りないと指摘されてきた。そのため、ヤン・ウィジやオ・ジェイルのような“巨砲型打者”の奮発が切実だった。ところが、彼らのバットは予選ラウンドから空を切り続けている。
こうなると、2人とも事実上の“守備専門選手”だと言わざるを得ない。
ヤン・ウィジは韓国プロ野球KBOリーグでトップクラスの捕手だ。“熊の仮面をかぶった狐”という異名が付けられるほど、投手をリードする能力が高い。加えて打撃能力も優れ、今シーズンもKBOで20本塁打を放ち、同部門で首位タイを走っていた。
しかし、東京五輪で彼のバットは冷たくなった。相手投手の誘い球に何度も騙されるなど、自信のないスイングに終始している。
韓国率いるキム・ギョンムン監督は守備のためにヤン・ウィジを起用し続けているが、彼を4番に据えているのは、打撃面でも“フィニッシャー”の役割を果たしてほしいという期待が込められているからだ。
オ・ジェイルは韓国唯一の正一塁手だ。
複数のポジションをこなせる選手が一塁手で起用されることもあるが、安定感には欠ける。日本は左打者が多いだけに、事実上、一塁は“ホットコーナー”と言える。
それに、守備の完成は一塁手の捕球によって締めくくられる。
この日の試合でも、オ・ジェイルは守備でこそ自身の役割をまっとうした。2回裏には近藤健介(28)の一塁ゴロを冷静に処理し、ベースカバーに入ったコ・ヨンピョ(29)にグラブトスし、同回を締めた。
もっとも、キム監督が2人に望んでいるのは守備だけではない。決定的な瞬間に一発を放ってくれることを期待している。
2008年北京五輪でも、キム監督は不振が続いていたイ・スンヨプを4番で辛抱強く起用した。その期待に応え、イ・スンヨプは準決勝の日本戦で本塁打を放ち、韓国を勝利に導いた。
キム監督は今回も、苦しんでいるヤン・ウィジとオ・ジェイルを根気よく中心打線に据えている。不振から立ち直り“フィニッシャー”として名乗り出ることを期待しているが、まだ本調子は取り戻せていない。
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