「楽しもう、遊ぼうと伝えた」
U-24韓国代表を率いるキム・ハクボム監督が、東京五輪グループステージ初戦のニュージーランド戦を控え、選手たちに肩の荷を下ろすよう伝えたことを明かした。
キム監督は7月21日、茨城県のカシマスタジアムで行われた記者会見に出席。
「初戦は何が起こるかわからない。だからワクワクしているし、緊張もしている」とし、「選手には“こうした状況を楽しめ”と伝えた。緊張で身体が縮こまってしまってはならない。素敵に遊ぼうと伝えた」と笑顔で語った。
グループBに所属する韓国はニュージーランドと初戦を戦った後、25日にルーマニア、28日にホンジュラスと対戦する。
2012年ロンドン五輪の銅メダルを超えるオリンピック歴代最高成績を目標に掲げるU-24韓国代表としては、ニュージーランド戦は非常に重要な一戦であると言って良い。
特に、今回のチームは今まで以上に最終メンバーの構成に時間を要した。東京へ発つ直前にオーバーエイジ枠のDFキム・ミンジェ(24、北京国安)が所属チームの派遣拒否で離脱し、DFパク・ジス(27、金泉尚武)を急遽招集するなど、試行錯誤を経験した。
韓国の課題とされた守備陣は、出国直前に行われたU-24アルゼンチン代表戦(2-2でドロー)、U-24フランス代表戦(1-2で敗北)と計4失点を喫し、不安定さを露呈した。キム監督としては、ニュージーランド相手に“勝ち点3”と“良質のパフォーマンス”の二兎を得たいところだろう。
ニュージーランドはグループBのなかでも比較的戦力が劣るとされる。しかし、キム監督は「ニュージーランドは事実上、A代表と言ってもおかしくない構成だ。“簡単に相手できる”というのは性急な判断だろう」と警戒する。
キム監督の言葉通り、ニュージーランドはA代表の看板ストライカーであり、イングランド・プレミアリーグで4シーズン連続二桁得点をマークしているFWクリス・ウッド(29、バーンリー)をオーバーエイジで招集。DFウィンストン・リード(33、ウェストハム・ユナイテッド)が経験豊富な守備で後方を支える。
DFリベラト・カカーチェ(20、リベラト・カカーチェ)などをはじめとする東京五輪世代にも、今後のニュージーランドサッカーをけん引する“黄金世代”と評価される選手が多い。
キム監督は「ニュージーランドは欧州でプレーする選手が多く、ユース時代から長い間足並みをそろえてきた選手が多い。チームワークがとても優れていると評価できる」とし、「おそらく、お互いに迫力溢れる試合になるのではないか」と予想した。
記者会見に同席した元V・ファーレン長崎でキャプテンのDFイ・サンミン(23、ソウルイーランドFC)は、要注意選手であるウッドの話が出ると、「DF同士でウッドがどの位置からどのように得点するのか、試合の映像を見ながらスタイルを分析している。1対1が難しければ協力してでも阻止する」と決意を語った。
また、大会直前の合流となったパク・ジスについては、「ジス兄さんはもちろん、僕たちも気兼ねなく近づき、たくさんコミュニケーションをしている。困難な状況でも上手く合わせて以降と約束しているので、連携に問題はない」と伝えた。
韓国に先立って記者会見を行ったニュージーランドのダニー・ヘイ監督は、韓国を「強い相手」と表現。「徹底的に分析した。カウンターが上手く、スピードも速く活動範囲も広い。中盤も協力だ」と言及した。
続けて、「韓国の特定の選手に焦点を当てるというより、全体的なチームとして準備した。韓国の守備は組織力が良い。得点のチャンスをつかむには全力を尽くさなければならない」と語った。
韓国とニュージーランドの試合は、7月22日にカシマスタジアムで午後5時にキックオフ予定だ。
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