6月23日、「JR東日本カップ2021第95回関東大学サッカーリーグ戦」延期試合が行われた。
東京国際大学と東海大学の2部リーグ第7節延期試合は前半36分、右サイドでボールを奪った高橋大が中央につなぎ、熊坂光希がダイレクトで左サイドの有水亮に渡す。それを有水亮が左にコントロールして左足で蹴り込み、東京国際大学が先制する。
後半18分には、有水亮の左からのフリーキックを板倉健太がヘディングで合わせて追加点を奪い、後半アディショナルタイム1分には、湯澤拓士が縦に蹴ったボールを師岡柊生が収め、GKとディフェンスを剥がしてゴールに流し込みだめ押し。試合は3-0で東京国際大学が勝利を収めた。
試合後、東京国際大学・前田秀樹監督は2部リーグ首位の要因について、「失点が少ない」ことを挙げた。
「去年は点は取れていても失点が多かった。失点をなくさないと強いチームは作っていけないので、今年は特に守備に関してやってきて、ここに来てようやく失点が少なくなった」という。さらに「後ろの守備の選手層が厚くなってきた」ことに加え、「前からの守備の追い込み方や速さが今のうちの良さ」と説明した。
今日の東海大学との試合については、「空中戦になるだろう。もう一つはロングスローがある」ということで、「昨日の練習もほとんどそこへの対応。そういうところの策は昨日やって、そこはうまくいった」と守備面を評価した。
攻撃面では、「師岡柊生の存在で、かなり助かっている。落合陸がそこに絡んでくれるし、もし何かあった時には古澤ナベル慈宇がいる。攻撃面でもトップは怖さがあって面白い」と続けた。
「チーム自体も、練習でも競争していてムードも良い。ムードとか勝つということが、上手くなる一番の秘訣だと思う。チームが勝っている時、いいムードの時はすごく勉強になる。うちは今そういう時が来ている。成長するタイミングでもある」と述べた。
早稲田大学と順天堂大学の1部リーグ第8節延期試合は、スコアレスドローに終わった。
試合後、早稲田大学・外池大亮監督は「順天さんという僕自身が一番鬼門だと思っているチームに対して、ゲームプラン通り良く走って、前線からの守備という形で、相手のビルドアップしかり、相手の出所に、しっかりプレッシャーをかけることを90分やり切ることができて、それによってゼロというのが生まれた。失点をしなかったところに関しては評価している」としつつも、攻撃については、「相手陣地のなかでショートカウンターの機会を作り出して、それを決めるというところまでパワーを持っていこうというなか、そういうチャンスを何度か作りながらもゴールできなかったことは悔しい」と総括した。
順天堂大学については、「個人個人の能力もそうだが、戦術的にも高いレベルでやってくるチームなので、普通にやったらいつでもどこでも点を取れるチーム。ボールを運べて自分たちでうまくサッカーを作れるチーム」と分析。「そこに対して我々は労を惜しまず、相手にとって本当に嫌がられる、“そこまで取りに来るの”という状況を作り出すことで、相手のリズムにさせないという状況を作り続けられるかが勝機だと思った」とゲームプランの狙いを明かした。
一方の順天堂大学・堀池巧監督は、連戦で「疲れていることは否定しない。こういう時にどういうサッカーができるのか。運動量豊富なサッカーをやったら多分ミスが起きる。エネルギーの使い方が90分間、最初から最後まで同じという感じだったが、リーグ戦ではずっと、早い時間に失点していたから、今日はそこは相当集中していた。それを考えたら、選手が頑張ってくれていたと思う」と無失点を評価した。
また、順天堂大学出身の旗手玲央が東京オリンピックに出場するU-24日本代表のメンバーに選ばれたことについて、「快挙だと思う」とし、続けて「大学出身が4人いる。オーバーエイジ3人を除いたら、15人中4人というのは相当な割合を占めている」とコメント。
旗手玲央の長所については「ポリバレント性」を挙げ、「まずサイドバックを普通にやってることが素晴らしいこと。2つのポジションだけでなく3つできる。いざとなったらボランチもできる。守備もできるし運動量もあるし、フロンターレでサイドバックでチャレンジできたことが大きな要因。同じチームにいて三笘薫の活躍に相当刺激を受けたと思う。すごくいい要素があって選ばれたのではないか」と話した。
さらに、「LINEをしたら『楽しみます』と、今日の朝返ってきた。あれだけポリバレントでやれる選手はいないと思う。人数が少ないから何かある。そうしたらどこでもできるので、彼が切り札になると思う」と期待を込めた。
23日に行われた延期試合の結果は以下の通り。
第7節
【2部リーグ】
東京国際大学 3-0 東海大学
第8節
【1部リーグ】
早稲田大学 0-0 順天堂大学
(文=玉 昌浩)
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