2018年ロシアW杯で活躍した“奇抜ヘアーのGK”で知られる韓国代表チョ・ヒョヌ(30、蔚山現代)が、サウジアラビアの複数クラブから獲得オファーを受けていることがわかった。
蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)はシーズン途中の主力放出を懸念し、事実上、“移籍不可能”の方針を打ち出した。
サウジアラビアの一部メディアは最近、アル・ナスルやアル・ヒラルなど複数の国内クラブが、Kリーグ1(1部)で4年連続ベストイレブンに選出されるなど、国内トップの座を確固たるものにしているチョ・ヒョヌの獲得を打診していることを報じた。
本紙『スポーツソウル』が取材したところによると、チョ・ヒョヌに対する現地クラブの関心は事実のようだ。
複数のサッカー関係者は6月22日、「アル・ナスルがチョ・ヒョヌのエージェントに最初に獲得の意志を示したのは事実だ。移籍金300万ドル(日本円=約3億3230万円)、年俸250万ドル(約2億7700万円)程度を提示した」とし、「アル・ヒラルもチョ・ヒョヌの情報を集めていると聞いている」と明かした。
サウジアラビアの複数クラブは、今年5月からチョ・ヒョヌのエージェントと接触しているという。だが、蔚山現代にはまだ正式なオファーをしていない。
蔚山現代で戦力強化部長兼副団長を務めるチョン・ソンウ氏は、「チョ・ヒョヌに対するサウジアラビアクラブの関心が大きいという話は聞いた。だが、クラブには移籍交渉に関する提案書がまだ届いていない」と述べた。
Kリーグ1やアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)を戦う蔚山現代としては、シーズン途中に正守護神のチョ・ヒョヌを放出することは不可能だという態度だ。
チョン副団長は「いくら高額の移籍金を提案されても、我々としてはチョ・ヒョヌの移籍を検討すべき時点ではない。選手本人もよく知っているはずだ」とし、「エージェント側にも、これ以上移籍関連の話がでないことを願う」と強調した。
Kリーグにおいて、300万ドルという移籍金は最近では珍しく高額だ。国内上位クラブの蔚山現代としても興味をそそられるだろう。
しかし、それ以上にチョ・ヒョヌ放出の場合の戦力低下が大きい。昨年のACL優勝に貢献したベテランGKチョ・スヒョクらがいるとはいえ、そのほかで信頼できるバックアップGKはいない。
蔚山現代の関係者は「今すぐチョ・ヒョヌやチョ・スヒョク級のGKを獲得することは不可能だ」と述べた。
クラブは確固たる立場を示しているが、問題はチョ・ヒョヌ本人の意思だ。
アル・ナスルが提案した年俸だけ見ても、現在の水準(10億ウォン=約1億円)より約3倍も多い額だ。韓国の数え年で31歳を迎えるチョ・ヒョヌとしては、全盛期の今、これだけの価値を見出してくれるクラブのオファーには関心を寄せるだろう。
だが、それと同時に、Kリーグ1優勝に挑む蔚山現代にとって自分の存在がどれだけ大きいかも感じているだろう。あらゆる面で心が揺れ動いてしまうのも仕方がない。
チョ・ヒョヌはこの心情を反映するかのように、去る22日、ACLグループステージが行われるタイ行きの飛行機に乗る前、取材陣のインタビュー要求を断っていた。
蔚山現代は、アル・ナスルなどサウジアラビアクラブから正式に獲得オファーが届けば、チョ・ヒョヌ本人と対話に臨むことができる。ホン・ミョンボ監督も現在、チョ・ヒョヌの移籍説を注意深く見守っているようだ。
前へ
次へ