6月19~20日、「JR東日本カップ2021第95回関東大学サッカーリーグ戦」第10節が行われた。
19日に行われた明治大学と順天堂大学の試合は、前半5分に杉浦文哉、後半7分に林幸多郎の得点で明治大学がリードして試合を進める。明治大学・栗田大輔監督も「85分くらいまで、非常にいいゲームをやったと思う」と評価した試合は残り5分に動く。
順天堂大学は後半45分に長倉幹樹がヘディングゴールで決め、後半アディショナルタイム4分にはコーナーキックから得点して同点に追いつき、試合は2-2の引き分けに終わった。
試合後、順天堂大学・堀池巧監督は、「明治は全員がハードワークしている。うちもハードワークしていないわけではないが、何人かはきれいなサッカーをやろうとしている。もっと泥臭く、球際で勝って奪って、はたいてもう一回出ていくという、そういうハードワークさは明治に比べて劣っていたと思う」としつつも、「最後まで、勝ちたい負けたくないという気持ち、厳しい日程でも勝っている、負けたくないというプライド」が追いつけた要因になったとコメントした。
20日には、早稲田大学と法政大学の試合が行われた。試合は前半31分、セットプレーで大西翔也がゴールを奪う。このゴールが決勝点となり、早稲田大学が勝利を収めた。
試合後、早稲田大学・外池大亮監督はセットプレーでの得点について、「こういうタフなゲームでこそ」生かされるとし、「我々のこれまでの戦いを分析して来ても、セットプレーで良さを生かし切れていないという課題を先週から洗い出していた」と説明。
「ややもするとゲームを作るところ、ボールを動かすところ、ゲームを支配するみたいなところに主眼が行きがちだが、これからは本当に戦い」だとし、「勝負を決めるとか、自分たちが優位に立つためには、どういうところにポイントがあるか。そういう意味ではセットプレーは重要だと課題の共有はしていたので、そこで点を取れたというのは、チームがより強固になるタイミングであったと思う」と続けた。
また、敗戦となった前節の桐蔭横浜大学戦についても、上位にいながらも得点が取れていない課題に向き合った結果であり、「いいトライは出来ている。課題に対して向き合っているという部分では自分たちはこの間の敗戦をネガティブに捉えていない。ゴールに向かう姿こそが我々が目指すべきところでもある。そのゴールに向かうところは無くさずに、かつ守備のできなかったこと、リスク管理などを再徹底した」という。
「学生たちの課題の見つけ出し方と、そこへの分厚い取り組みが試合で一つずつ出ているという意味では、チームとしての成熟度が確実に上がってきている感じがある」と評価した。
さらに、「我々こそが大学サッカーを面白くしていかないといけないし、そこでリードする存在であるためにも、こういうタフなゲームのなかで自分たちの姿を、自分たちの思いを、しっかり体現できるところが何よりだと思う」と述べた。
最後に、「4年生が特に中心になって苦しいなかでも向き合ってくれている」とし、特に加藤拓己について、「この間の桐蔭横浜の時の3点目と4点目で、彼のミスから失点したというなかで、彼自身にもかなり厳しい言葉を伝えた。彼自身がJに行って通用するためには、大学サッカーで成長しきらないといけない。ここでしっかり自分を存在させないといけない。上だけを見ているのではなく、ここに本質があると。今日はあいつも献身的にやっていたし、プレーに軽さがなくなってきた。彼には日本を代表するプレーヤーにやって欲しい。あと半年、しっかり厳しく温かく向き合いたいと思う」と語った。
第10節の結果は以下の通り。
【1部リーグ】
明治大学 2-2 順天堂大学
立正大学 2-0 筑波大学
早稲田大学 1-0 法政大学
桐蔭横浜大学 0-1 慶應義塾大学
【2部リーグ】
神奈川大学 0-1 立教大学
東海大学 1-2 東京学芸大学
東洋大学 0-2 東京国際大学
中央大学 4-2 産業能率大学
日本体育大学 1-0 日本大学
(文=玉 昌浩)
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