ひとまず範囲は狭まった。あとはどのポジションにオーバーエイジ枠を採用するかだ。
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東京五輪を控えるU-24韓国代表は来る6月22日、坡州(パジュ)のサッカー国家代表トレーニングセンター(NFC)に再招集される。16日に発表された2次招集メンバー(五輪世代23人)が、キム・ハクボム監督から最後のチェックを受ける。
オーバーエイジ枠3人と予備メンバー4人を含めた22人のリストは、来る30日に発表される予定だ。
今回の2次招集メンバーを見ると、これまでキム監督から着実に招集されてきたFWオ・セフン(22、金泉尚武)、FWチョ・ギュソン(23、金泉尚武)らトップの選手がいずれも落選した。現時点の23人のうち、トップを主戦場とする選手はいないに等しい。
このため、元ガンバ大阪FWファン・ウィジョ(28、ボルドー)のオーバーエイジ枠選出は有力と言って良いだろう。ファン・ウィジョ側も(オーバーエイジ枠を)肯定的に考えているという。
キム監督も、城南(ソンナム)FC時代の教え子であり、韓国代表屈指のストライカーであるファン・ウィジョが合流できると想定し、今回のメンバー編成を組んだはずだ。
もう1人の有力候補はDFキム・ミンジェ(24、北京国安)だ。
2018年ジャカルタ・アジア大会に出場し、韓国の金メダル獲得に貢献したキム・ミンジェは、最近まで行われた2022年カタールW杯アジア2次予選でも優れたパフォーマンスを見せた。もっとも、北京国安側が派遣を拒否するリスクがある。
仮にキム・ミンジェ招集が叶わなかった場合、代替者はDFパク・ジス(27、水原FC)となる可能性が高い。昨シーズンまで中国スーパーリーグの広州恒大に所属していたパク・ジスは、去る3月の“日韓戦”でも出場していた。
このため、センターバックにオーバーエイジ枠を採用するとなれば、現在生き残っているDFチョン・テウク(24、大邱FC)、DFイ・サンミン(23、ソウルイーランドFC)、DFキム・ジェウ(23、大邱FC)、DFイ・ジソル(21、大田ハナシチズン)のうち、何人かは荷物をまとめなければならないかもしれない。
残り1枠の選択肢はさまざまあるが、まだ決定には至っていない様子だ。
まず、W杯アジア2次予選で韓国代表に初選出されたDFカン・サンウ(27、浦項スティーラース)が候補の1人だ。キム監督が指摘する左サイドバックを主戦場とするだけでなく、右サイドバックや両ウィング、さらにはトップまでこなせるポリバレントさもある。
U-24韓国代表のサイドバックではDFソル・ヨンウ(22、蔚山現代)を除き、DFカン・ユンソン(23、済州ユナイテッド)、DFキム・ジンヤ(22、FCソウル)、DFイ・ユヒョン(24、全北現代モータース)らがクラブであまり出場機会を得られていない。キム監督は最後まで長考を続けるはずだ。
W杯アジア2次予選で悪くないパフォーマンスを見せたMFクォン・チャンフン(26、水原三星ブルーウィングス)も、オーバーエイジ枠選出の可能性がある。
兵役のためドイツ・ブンデスリーガのフライブルクを退団し、古巣の水原三星(スウォン・サムスン)に復帰したクォン・チャンフンは、最近行われた復帰記者会見で「アピールはすべてした。監督の選択を待つ」と答えた。本人は東京五輪出場に前向きだ。
もっとも、現在のU-24韓国代表にはMFイ・ガンイン(20、バレンシア)、FWイ・ドンジュン(24、蔚山現代)、FWソン・ミンギュ(21、浦項スティーラース)など、実力のある2列目の選手が揃っている。そのため、ほかのポジションよりも優先度は低いと見られる。
本大会の決勝トーナメントで激突する可能性のあるU-24日本代表は、MF遠藤航(28、シュトゥットガルト)、DF吉田麻也(32、サンプドリア)、DF酒井宏樹(31、浦和レッズ)と、中盤以降にオーバーエイジ枠を採用した。果たしてキム監督はどのような決断を下すのか、30日の最終発表を楽しみに待ちたい。
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