清々しい対象とともに、日常に戻れるという希望を見出した試合だった。
サッカー韓国代表は6月5日、高陽(コヤン)総合運動場で行われた2022年カタールW杯アジア2次予選のトルクメニスタン戦を有観客で開催した。
スタジアムの総収容人数の10%に当たる4000席が事前に販売され、試合の2日前までに完売した。
韓国国内での有観客の国際Aマッチは、去る2019年12月に釜山(プサン)で開催されたE-1サッカー選手権以来、約1年半ぶりのことだ。ただ、当時は欧州組が大会に参加していなかった。
“完全体”を組んでの国際Aマッチとなると、2019年10月に華城(ファソン)で行われた2次予選のスリランカ戦以来、実に1年8か月ぶりのこととなる。昨年は国内で国際Aマッチを開催できず、代わりに10月に当時のU-23代表とのスペシャルマッチが組まれたものの、観客の入場は許されなかった。
久しぶりに最精鋭のメンバーが集まり、有観客で行われただけに、スタジアムの雰囲気は熱かった。韓国サッカー協会の案内によって声を出しての応援は禁止されたが、拍手やボードを利用して選手を応援していた。
試合中にはやむを得ず、ため息が漏れたり歓声が挙がったりもしたが、許容不可能なレベルの応援は見られなかった。普段のKリーグから行われている適切な距離置きも、秩序を持って行われている様子だった。
観客の応援に応えるかのように、代表選手たちも鮮やかなプレーで5ゴールを決め、国内での国際Aマッチを待ち望んでいたサッカーファンを満足させた。ソン・フンミンやファン・ウィジョ、キム・ミンジェら主力の活躍も目立つなど、見どころ満載の国際Aマッチだった。
選手たちは、国内で行われた久しぶりの国際Aマッチにテンションが上がっていた様子だった。
特に、2ゴールの活躍で勝利に貢献したファン・ウィジョは「気分が良かった。ゴールを決められたことも良かったが、韓国でAマッチを行えたこと自体が良かった。ファンの歓呼の中で入場し、応援を受ける気持ちを切実に待ち望んでいたし、恋しかった。そういうことを考えると、試合開始前から気分が良かった」と、有観客試合に満足感を示した。
韓国を率いるパウロ・ベント監督の考えも同じだった。ベント監督は「サッカー選手は(自分を)見守ってくれるファンがいるときが一番美しい。選手たちはファンのためにプレーをする」とし、「スタジアムに観客が入ってきたのは、日常に復帰する姿を見せてくれるものだと思う。これからはより多くの観客が入場できると良いだろう。観客の前で良いプレーができて嬉しい」と伝えた。
ベント監督の言葉通り、有観客でのAマッチは近いうちにも新型コロナウイルス感染症以前の日常に戻るという希望を与える。
ちょうど、国内のワクチン接種率も急上昇している。政府によると、国内でワクチン接種が始まって100日目となった6月5日、接種率は14.5%と集計された。さまざまな面で肯定的な要素が現れるなか、スポーツの正常化は象徴するところが大きい。
前へ
次へ