これ以上の結果はないかもしれない。
競技場はサポーターで埋め尽くされ、ピッチでは市民クラブがビッグクラブを倒した。大邱FCは、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)を2度も制した中国の強豪を下し、16強進出に大きく前進した。
大邱は3月12日、DGB大邱銀行パークで行われたACLグループステージF組第2戦で広州恒大(中国)を3-1で破り、グループステージ2連勝を飾った。
大邱の年間予算は、広州恒大の10分の1ほど。Kリーグを代表する“低コスト・高パフォーマンス”クラブである大邱の勝利は、大きな意味を持つ。
大邱はチームカラーである“実利サッカー”を通じて、広州恒大を苦しめた。ボールを奪うとすぐにカウンターを仕掛け、広州恒大を当惑させた。ブラジル人コンビであるエドガルとセシーニャ、そして驚異的な成長を見せているキム・デウォンが大邱の攻撃を担った。
この日の試合でセシーニャは1アシスト、キム・デウォンは1ゴール1アシスト、エドガルは2ゴールを決めた。特にエドガルはKリーグとACLを合わせて、今シーズン4試合連続得点を達成している。セシーニャも4試合連続のアシストだ。
広州恒大の攻撃を率いるブラジル出身のタリスカとパウリーニョの移籍金は、合わせて7000万ユーロ(約87億9000万円)に達する。エドガルとセシーニャは、そんな彼らの目の前で大活躍してみせ、Kリーグを代表する“傭兵”であることを証明した。
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エドガルとセシーニャは息の合った連係で、相手守備ラインを崩した。前半24分、キム・デウォンの一呼吸早いアーリークロスをエドガルがボレーで合わせ、先制ゴールが生まれた。最終ラインとゴールキーパーの間に上げたキム・デウォンのクロスも絶妙だったが、守備ラインを割って飛び込んだエドガルの瞬発力も一級品だった。
追加点は、大邱の攻撃陣3人の真価がそのまま現れた。カウンターの状況でキム・デウォンからセシーニャにつなぎ、セシーニャがスルーパスを通すと、最後はエドガルが冷静に右足で決めた。水が流れるようにつながったパスプレーには、観衆も感嘆の声を上げた。
前半を2-0で終えると、競技場を埋め尽くしたサポーターは、一斉に大邱の選手たちに拍手を送った。
前半、これといったゴールチャンスを作れなかった広州恒大のタリスカとパウリーニョだが、後半に入るとまた違う姿を見せた。