監督が交代しても依然として立場は曖昧だ。もはやシーズン終了後の退団は既定路線なのか。
バレンシアに所属する韓国代表MFイ・ガンイン(20)は、5月13日(日本時間)に行われたラ・リーガ第36節セビージャ戦で出場なしに終わった。ベンチ入りはしたもののピッチに姿を現すことなく、チームの0-1の敗北を見届ける形となった。
前節のバジャドリー戦、イ・ガンインは先発出場して活躍を見せていた。本職ではない右サイドでの起用も創造的なプレーやロングパス、正確なキックでバレンシアの攻撃をけん引し、3-0の完勝に貢献していた。
にもかかわらず、今節では先発はおろか途中出場すらなかった。シーズン終盤にして今も立場が不安定という意味だ。
バレンシアは今月3日にハビ・グラシア前監督を解任した。相次ぐ未勝利と不振の末に選んだ別れだった。
グラシア前監督は、自身のスタイルに合わず守備に難のあるイ・ガンインに無関心だった。試合で良いプレーを見せても立場を改善することはなく、後半戦は特に出場機会を与えなかった。しかし結局、低迷を脱することができないまま荷造りをすることになった。
グラシア前監督に引き継いで指揮を執るのは、“ボロ”ことサルバドール・ゴンザレス・マルコ暫定監督だ。現役時代にバレンシアで活躍したボロ氏は、2002年から同クラブで指導者キャリアをスタート。これまで主にコーチを務めながら、今回含め実に6回も暫定監督を任されてきた。
ただ、それほどバレンシアの内部事情に詳しいにもかかわらず、イ・ガンインの立場は変わらない様子だ。
現状を見る限り、イ・ガンインがバレンシアに残留する可能性はほとんどないと見て良さそうだ。すでにプレミアリーグやセリエA、ブンデスリーガ、リーグ・アンの複数クラブが興味を示しているとされているほか、契約残り1年で移籍金も下がったことで、ラ・リーガ内でも目を向けるチームが増えているという。
バレンシアの契約延長オファーを事実上断ったとされるなか、今夏にもイ・ガンインの退団は現実となる見通しだ。
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