韓国Vリーグが抱える“首都圏集中問題”、新チーム誕生で解決なるか「バレーボール人気を全国区に」

韓国プロバレーのVリーグ女子部に新規参入するペッパー貯蓄銀行が、韓国南西部の光州(クァンジュ)広域市をホームタウンにすることを決めた。

ペッパー貯蓄銀行は5月13日に光州市と調印式を行い、正式にホームタウン協約を結ぶ予定だ。

Vリーグ女子部7チーム目として合流するペッパー貯蓄銀行は、当初は本社のある首都圏の城南(ソンナム)市を本拠地とすることを望んでいた。ただ、光州市の積極的な誘致活動を受け、路線変更を決断した。

(写真提供=KOVO)ペッパー貯蓄銀行を率いるキム・ヒョンシル監督

光州市はイ・ヨンソプ市長やイ・ビョンフン議員まで誘致活動に参加し、説得に乗り出した。

同市は過去にもVリーグ男子部の韓国電力ビッグストームと交渉を行ったほど、バレーボールへの関心が高い。ちなみに、韓国電力は結局水原(スウォン)市を本拠地に据えている。

今回、光州市はトップレベルの競技場とトレーニング施設を提供することを約束し、ペッパー貯蓄銀行の誘致に成功した。

ペッパー貯蓄銀行は光州市を本拠地としながらも、練習場を首都圏の龍仁(ヨンイン)市に構える方法で、移動時に強いられる選手の体力消耗を最小限に抑える構想を立てている。

バレーボールの普及に一役買うか

Vリーグを管轄する韓国バレーボール連盟(KOVO)も、ペッパー貯蓄銀行に光州市を推薦した。

現在、韓国国内でVリーグは“首都圏リーグ”というイメージが強い。Vリーグにはペッパー貯蓄銀行以外に男女部計13チームが存在するが、うち9チームが首都圏を本拠地としている。

男子部ではソウルウリカード・ウィビー(ソウル)、大韓航空ジャンボス(仁川)、KB損害保険スターズ(議政府)、韓国電力(水原)、OK金融グループ(安山)。女子部ではGSカルテックス(ソウル)、興国生命ピンクスパイダーズ(仁川)、現代建設ヒルステート(水原)、IBK企業銀行アルトス(華城)が首都圏チームだ。

非首都圏にホームタウンを構えるのは、男子部では現代キャピタル・スカイウォーカーズ(天安)とサムスン火災ブルーファングス(大田)、女子部ではKGC人参公社(大田)と韓国道路公社ハイパス(金泉)の計4チームと、比重の差があまりに大きい。

このため、地方のバレーボールファンはVリーグの現地観戦が困難という認識が強かった。去る2019年、韓国南東部の釜山(プサン)広域市に位置する機張(キジャン)で男子部4チームを招いての「釜山サマーマッチ」が大きな反響を呼んだのも、それだけ地方にもバレーボールファンが多いという証拠だった。

これが、チームの分散を望むKOVOがペッパー貯蓄銀行に光州市行きを推薦した背景だ。

ペッパー貯蓄銀行のホームタウンが光州市に決まったことを機に、Vリーグは全国区のプロスポーツへと成長するチャンスを得た。仮に、女子バレー韓国代表キャプテンのキム・ヨンギョンが来シーズンも国内でプレーすることが決定すれば、興行面でも大きな期待を持てる。

KOVOのチャン・ギョンミン広報チーム長は「バレーボールファンの間で、Vリーグが首都圏に集中しすぎているという話をよく聞いていた」とし、「(ペッパー貯蓄銀行のホームタウンが光州市に決まったことは)とても喜ばしいことだ。Vリーグの人気拡大、バレーボールの底辺拡大を期待している」と述べた。

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