出て来い第2のオ・スンファン、東京五輪に向けて韓国代表“守護神”争いが勃発

韓国プロ野球では現在、チョ・サンウ(26、キウム・ヒーローズ)とハ・ジェフン(30、SSGランダース)の復帰に伴い、10球団のクローザー争いも本格化し始めている。

2021年7月には東京五輪が控えているだけに、各球団の“守護神”の活躍ぶりが代表チームにも影響を及ぼすとされており、例年にも増して熾烈な競争が繰り広げられる見通しとなっている。

まだ開幕から1チーム当たり10試合も行っていないが、現時点で最も印象的な抑え投手はLGツインズのコ・ウソク(22)だ。プロ3年目だった2019年からクローザーを務める彼は、今季好調な滑り出しを見せている。

多士済々なKBOのクローザーたち

入団当初から誇っていた150km台の剛速球に加え、昨年からはスライダーの制球が安定。昨シーズン終盤に導入したカットボールも含めた3つの球種が武器だ。

LGツインズのコ・ウソク(右)

そして今季は韓国球界で最も強力なボールを投げる投手としても注目を集めている。開幕4試合で見せたフォーシームの平均球速が153.8キロ(韓国記録サイト「STATIZ」参照)に達し、4月11日のSSGランダース戦で投げたカットボールも150kmを記録したという。

火の玉のようなボールを見事な制球力でストライクゾーンに投げ続け、現時点で防御率は0.000だという。この状態が維持できれば、自身が目標に据えた“第2のオ・スンファン”はもちろん、代表のクローザーとしても資格は充分だと言える。

かつて日本でもプレーした選手も

もちろん、ペナントレースはまだ始まったばかりだ。昨シーズン最高の抑えだったチョ・サンウ、2019年に最多セーブ(36セーブ)を記録したハ・ジェフンの復帰で、真の競争はこれから始まると言っても過言ではない。

チョ・サンウも平均球速150km台を誇るファイヤーボーラーだ。2019年にはフォーシームの平均球速152.2kmを記録し、オ・スンファン以降最も強力な球を投げるクローザーとしての地位を確立している。

キウム・ヒーローズのチョ・サンウ(中央、11番)

また、ハ・ジェフン(30)の図抜けたレベルのフォーシームは、驚異の回転数を誇っている。投手兼外野手としてアメリカ(シカゴ・カブス傘下のマイナーチーム)、日本(東京ヤクルトスワローズ、徳島インディゴソックス)を渡り歩いたあと、韓国プロ野球初年度だった2019年には初の専業投手ながらもすぐにクローザーとして活躍していた。

元阪神オ・スンファンもまだまだ現役

韓国球界歴代最多セーブ記録を持つオ・スンファン(38、サムスン・ライオンズ)は、前人未到の300セーブを目前にしている。全盛期と比べるとやや球速は落ちたかも知れないが、老獪さという新たな武器で現在も並み居る打者を切って捨てている。

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サムスン・ライオンズのオ・スンファン

オ・スンファンもメジャーリーグ時代には球速ランキング上位ではなかったが、スライダーをはじめとして変化球を巧みに織り交ぜセーブを挙げていた。今季も開幕からの3連投も辞さず、登板した試合すべてでセーブを記録し、相変わらずの頑健体であることを証明している。東京五輪では、最後の代表ユニホームを着る可能性が高いと目されている。

代表のクローザー候補には、オ・スンファンに次いでチョン・ウラム(35、ハンファ・イーグルス)、今季から抑えに回ったキム・ガンリュル(32、斗山ベアーズ)、昨年の韓国シリーズで優勝の瞬間を飾ったウォン・ジョンヒョン(33、NCダイノス)、キム・ウォンジュン(27、ロッテ・ジャイアンツ)などが期待されている。

日韓戦をはじめとしたビッグゲームでは投手の出来が大きな影響を及ぼすだけに、代表監督もベストな投手陣の組み合わせで悩むに違いない。多彩な投手によるクローザー競争の始まりはこれからだ。

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