パフォーマンスは悪くなかったが、結果につながらなかった。女子サッカー韓国代表の東京五輪出場に暗雲が立ち込めている。
コリン・ベル監督率いる女子サッカー韓国代表は4月8日、ホームの高陽(コヤン)総合運動場で行われた中国との東京五輪アジア最終予選プレーオフ第1戦で1-2と敗れた。
プレーオフではアウェーゴール方式が適用される。韓国はホームで2失点して敗れたため、来る13日に中国の蘇州(スージョウ)オリンピックスポーツセンターで行われる第2戦では2点差以上離すか、もしくは3ゴールを決めて1点差以内に収めなければならない。
負けはもちろん、引き分けの場合は脱落が決定する。
ただ、試合内容は決して悪くなく、むしろ良い方だった。
ベル監督は前線中央にFWチ・ソヨン(30、チェルシーFCウィメン)を据え、両サイドにカン・チェリム(23、仁川現代製鉄)とチュ・ヒョージュ(20、水原UDC)を配置するスリートップを採用した。
チ・ソヨンはゼロトップ気味のポジションで動き回り、ときには2列目まで下がってボールを受けた。カン・チェリム、チュ・ヒョージュの両サイドは中央に切れ込み、相手DFのスペースを突く動きを見せた。
MFイ・ミナ(29、仁川現代製鉄)とMFイ・ヨンジュ(28、仁川現代製鉄)、サイドバックのDFチャン・スルギ(26、仁川現代製鉄)による中盤での攻防も、韓国側が優位を占めていた。
素晴らしいゴールも決めた。前半38分、中盤でボールを奪ったチ・ソヨンが敵陣に侵入すると、右サイドから裏に抜け出したカン・チェリムに絶妙なスルーパスを送る。カン・チェリムはペナルティエリア内右側で相手DFを前に右足でシュートを試み、ボールはそのまま反対側のゴールネットを揺らした。
残念だったのは守備の集中力だ。前半から試合の主導権を握った韓国だが、同33分、中盤から挙がったボールをセンターバックのDFイム・ソンジュ(30、仁川現代製鉄)が相手FWとの衝突でクリアできず、こぼれ球をフリーの選手に拾われて失点した。
同点で迎えた後半25分には、途中出場のFWソン・ファヨン(24、仁川現代製鉄)がペナルティエリア内でファウルを犯したことでPKを与え、追加点を許してしまった。
その後、韓国は最後まで攻勢を仕掛けたものの、フィールドプレーヤー10人が全員引いた中国の守備を崩すことができず、結果的に敗れてしまった。
敗北そのものより、ホームで2失点して負けた点が痛い。中国での第2戦では少なくとも2-1のスコアを作らなければ、延長戦にすら行けない。中国のタイトな守備を考慮すると簡単ではない挑戦だ。
とはいえ、韓国に後ろに引く選択肢はない。チ・ソヨンやイ・ミナらを代表する韓国女子サッカーの“黄金世代”にとって、今回のオリンピックは事実上最後のチャンスだ。3年後の次回大会を約束することはできない。史上初のオリンピック出場を果たすには、第2戦で必ず勝利しなければならない。
ベル監督は「負ける必要はなかった。1-1で引き分けられた試合だった。1年間代表で試合できなかった部分が明らかになった」とし、「まだ第2戦が残っている。中国代表チームに、まだ東京のホテルを予約する必要はないと伝えたい」と、第2戦で巻き返しを図る覚悟を明らかにした。
また、この試合でゲームキャプテンを務め、90分フル出場したチ・ソヨンも、「もう前半戦が終わった。早く回復し、中国で勝てるようにする」と勝利を誓った。
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