ハンファ・イーグルスがオープン戦での猛威で“大下剋上”を予告した。
ハンファの今季オープン戦は、6勝1敗で1位だった。昨シーズンが最下位だっただけに、より際立って見える数字だ。
オープン戦でのハンファの姿は、オフの間に苦心して改善してきた跡があちこちに見えていた。
新監督のカルロス・スベロ監督は就任後、一貫して“失敗する自由”を強調し、選手たちに攻撃的なプレーを要求。この意識は負け犬根性が染みついていた選手たちに大きな影響を与え、チームに充満した自信は好結果へと繋がることに。
オープン戦とはいえ確かに見違えた。スベロ監督がゼロベースでチームを作ったおかげで、選手たちのキャンプに臨む姿勢が改善され、選手間の競争が自然に行われていた。
選手たちはコーチ陣の指導の下、多様なテストを行っていた。特にオープン戦期間中は、スベロ監督が敷いた極端なシフトが注目を集めることに。打者の傾向、打撃メカニズム、ボールカウントなど、状況によって守備位置を変えるなど、細かい指示が飛び交っていた。
スベロ監督は、「シーズンに先立ち、守備データを集めるため果敢なシフトを試みている。 できるだけ多くシフトをかけて、相手が守備を突破できるかを確認している。データが大量に蓄積されれば、有意義な作戦になるだろう」と自信を誇示。さらに、グラウンド上の選手たちが自発的に守備移動を主導するなど、好循環を生んでいる。
昨年、リーグ最多三振(1163個)という不名誉な数字を記録したハンファは、春季キャンプで“選球野球”で突破口を見出した。今すぐ打撃技術を向上させることはできないが、ボールを選び出す能力は短期間で向上できるというコーチの判断だ。
スベロ監督は、「三振を減らすより出塁率を高めなければならない」と強調しており、事実、オープン戦では55つの三振をしたものの、四球も35つが生まれ、同部門3位を記録したそうだ。過去に比べると、刮目すべき大成果だ。
成果が目に見えてあらわれたので、選手たちものモチベーションアップにも直結。試合中のベンチは、ボール1つを選んだだけでホームランを打ったように騒がしいのだ。
「選手たち自らがムードを作っている。監督があーだこーだと言えない部分だ」と親指を立てた。新加入の外国人打者リオン・ヒーリーも、「ハンファのダグアウトはエネルギーに満ちている」と証言している。
今季のハンファは全てが変わった。新球団設立クラスの刷新を断行し、ベテランを整理するなど、大幅なリビルディングを宣言した。
3年後を見据えての強化に着手したが、早くも1年目から効果があらわれており、ファンの期待も大いに高まっている状況だ。昨年傷ついたファンの心を取り戻すことに成功するのだろうか。それはシーズン終了後に明らかになるだろう。
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