野球において最も重要とされる打順を、全員20代の若手で構築したチームが韓国にあるそうだ。
今シーズンのハンファ・イーグルスは、チョン・ウンウォン(21)、ノ・シファン(21)、ハ・ジュソク(27)、そしてリオン・ヒーリー(29)が上位打線を担う。
ハンファ・イーグルスのカルロス・スベロ監督はオープン戦に先立ち、早くから上位打順を任せる選手たちを指名していたという。「現在の内野陣はある程度完成している。上位打順もまた、今回入った内野手へとつなぐ考えだ。1番から4番まではすでに決めており、状況によっては変わることもあるが、打者はこのまま行く」と述べている。
事実、ハンファ・イーグルスはオープン戦初戦だった3月21日のLGツインズ戦、2試合目だった22日の斗山(トゥサン)ベアーズ戦で、上記した4人を上位打順に並べていた。
21日の試合ではノ・シファンとヒーリーがそれぞれ1安打ずつ記録し、22日の試合ではチョン・ウンウォンが1安打、ヒーリーがマルチヒットと活躍を見せている。
特に、斗山ベアーズ戦でチョン・ウンウォンとヒーリーは、両社ともタイムリーヒットを放った。ヒーリーは1回無死満塁の状況で決勝打を放ち、チョン・ウンウォンは1回の打順が1周した状況で、2打点のタイムリーヒットを放っている。
初回から7点を荒稼ぎしたハンファ・イーグルスは斗山ベアーズを12-5で下し、オープン戦2連勝を飾った。
しかしこれはあくまでもオープン戦に過ぎず、レギュラシーズンを準備する過程として結果に大きな意味を持たせることは難しい。
それでもある程度の方向性は垣間見ることができるはずだ。ハンファ・イーグルスのフロントは“革新”を強調し、チームの全面的なリビルディングを推し進めている。
2018年に見せた11年ぶりのポストシーズン進出を引きずらず、2、3年後の大きな収穫を見据えているようだ。
それでも結果を最初から放棄しているのではなく、成長と結果の両立ももちろん忘れていない。
昨シーズン2軍監督だったチェ・ウォンホ監督代行が正式な1軍監督となり、新人選手たちを1軍に引き上げた点、昨冬フリーエージェントとなった“蚕室(チャムシル、斗山ベアーズのホームタウン)のアイドル”チョン・スビンを諦めて撤収した点、そして米メジャーリーグの育成専門家たちでコーチングスタッフを構成した点などを考慮すると、ハンファ・イーグルスの思惑がうかがえる。
プロデビュー直後からずば抜けた活躍を見せる選手はごく少数だ。プロ1年目の開幕戦で1軍初打席初本塁打を放ち、トッププレーヤーへの階段を高速で駆け上がったカン・ベクホ(KTウィズ、22)や、元中日ドラゴンズのイ・ジョンボムを父に持ち、“天才”とも称されるイ・ジョンフ(キウム・ヒーローズ、23)は若くして強烈な印象を残しているが、彼らとともに代表で戦う選手のほとんどは、険しい過程を経てスーパースターへと成長した。
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1軍でコンスタントに結果を残す打者となるには、少なくとも2000打席が必要だと韓国では言われている。
昨シーズンを終えた時点でチョン・ウンウォンは1154打席、ノ・シファンは579打席、ハ・ジュソクは1892打席を消化した。メジャーリーグで1606打席、マイナーリーグで1719打席に立ってきたヒーリー以外の3人は、現在進行形でぐんぐん成長中だ。そしてほかの20代の選手たちは、ようやくスタート地点を通過したと言える。
カルロス・スベロ監督の計画どおりに彼らがポテンシャルを発揮する時、ハンファ・イーグルスファンの忍耐と試練にも終止符が打たれるはずだ。
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