韓国Vリーグ女子部、“真のアベンジャーズ”GSカルテックスが3冠を達成できた要因とは?

開幕前には誰も想像できなかった“3冠”を達成した。

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GSカルテックス・ソウルKIXXはまったく隙のない戦いぶりで、今シーズンの韓国Vリーグ女子部の主人公になった。

2020-2021シーズンが開幕する以前、韓国バレー界最大の関心は興国生命(フングク・センミョン)ピンクスパイダーズのパフォーマンスだった。

“優勝は当然”と考えられたほか、なかには興国生命が無敗、失セットなしで優勝するまで予想され、「オ・ウ・フン(”どうせ優勝は興国生命“を略した韓国語)」という造語まで誕生した。

主力離脱で優勝逃した興国生命

それもそのはず、興国生命にはチームの絶対的エースであり、女子バレー韓国代表のエースでもあったイ・ジェヨン(24)に加え、代表キャプテンのキム・ヨンギョン(33)が11年ぶりに国内復帰。さらにはイ・ジェヨンの双子の妹であり、代表でも中心的存在だったセッターのイ・ダヨン(24)も新たに加入したのだから、周囲がそう反応するのも当然と言えた。

こうして豪華な布陣を完成させた興国生命に付けられたのが、「フンベンジャーズ(興国生命+アベンジャーズ)」という修飾語だった。

興国生命は、シーズン中盤までは「フンベンジャーズ」という修飾語らしい戦いぶりを見せていた。昨年10月にVリーグの正規リーグが開幕して以降、12月まで無配を継続。第4ラウンドが行われた今年1月下旬までは首位独走状態だった。

興国生命ピンクスパイダーズ

ところが、2月に入りイ・ジェヨンとイ・ダヨンが学生時代のいじめ発覚で無期限出場停止処分を受け、戦列から離れると、興国生命は急激に調子を落とした。

結局、第5~6ラウンドの10試合は2勝8敗という惨めな成績に終わり、正規リーグ優勝に失敗。辛うじてチャンピオン決定戦まで進出できたものの、1勝も挙げられないまま3連敗を喫し、準優勝にとどまった。

GSカルテックスを優勝に導いた3人のアタッカー

反面、GSカルテックスはシーズンが深まるにつれて完璧な姿を披露し、Vリーグを制覇した。チームを率いるチャ・サンヒョン監督は、普段は気さくな様子で選手とコミュニケーションをするが、練習や試合になると誰よりも厳しくチームを管理し、チームワークを組織した。チャ監督のリーダーシップに選手たちも従い、Vリーグで最も強いチームへと成長した。

今シーズンはVリーグ内複数のチームが不仲説や過去のいじめ説に苦しめられたが、唯一GSカルテックスだけは“ワンチーム”で団結し、シナジー効果を発揮した。

パフォーマンスを見ても、GSカルテックスは最も安定的で起伏がなかった。メレーター・ルッツ(26)、イ・ソヨン(26)、カン・ソフィ(23)ら3人のアタッカーはリーグ屈指の攻撃ラインを構築。正規リーグではルッツが得点ランキング3位に上がると、イ・ソヨンが10位、カン・ソフィも12位に名を連ねた。

MVPを受賞したルッツ(左)とイ・ソヨン

チャンピオン決定戦でも3人は優れた活躍を見せた。MVP投票ではルッツとイ・ソヨンがともに11票を獲得してMVPを共同受賞し、カン・ソフィも8票を得ていた。誰がMVPに選ばれてもおかしくなかったという意味であり、それだけアタックのバランスが取れていたチームであることを証明した。

現監督の下でドラマチックに成長

主力だけが活躍したわけでもなく、控えの選手も着実にチームを支えた。チャンピオン決定戦の第3戦、興国生命が10人の選手を起用した反面、GSカルテックスは16人もの選手をコートに送り出し、役割を分担させた。

特に、レフトのユ・ソヨン(22)はイ・ソヨンやカン・ソフィが乱調に陥るたびに登場し、2人の穴を埋めた。ユ・ソヨンは同試合、足首を負傷したカン・ソフィに代わり第5セットで登場し、5得点の活躍でチームの危機を救った。

控えの選手が自身の持ち味を明確に発揮したことで、GSカルテックスはトロフィーを掲げることができた。

3冠達成を喜ぶGSカルテックス

成長過程もドラマチックだ。GSカルテックスはチャ監督就任初年度の2016-2017シーズンに正規リーグ5位を記録すると、翌2017-2018シーズンは4位、2018-2019シーズンは3位、2019-2020シーズンは2位と1ランクずつ順位を上げていき、今回チャ監督体制で初めて統合優勝を達成した。

チャ監督は着実にチームを作り上げ、成果を出していった。シーズンが終了した今、これまでの戦いを振り返ってみると、“本物のアベンジャーズ”はGSカルテックスだった。

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