史上最高の“満39歳バッター”となるのだろうか。
すべての関係者が興味深く見つめている。それもそのはず、彼は歴代の韓国人メジャーリーガーで最も大きな成功を収めたといっても過言ではない。国内で活躍する外国人選手と比べても、その差は歴然と言って良い。
もしかしたら、韓国プロ野球史上最高齢のMVPが誕生するかもしれない。テキサス・レンジャーズとの契約を終え、去る2月23にtにSKワイバーンズと契約したチュ・シンス(38)が国内で大きな注目を集めている。
世界最高の舞台で積み上げた数字からして特別だ。
チュ・シンスは2005年にシアトル・マリナーズでメジャーデビューして以降、昨シーズンまでの16年間をメジャーリーグ(MLB)でプレー。通算1652試合に出場し、1671安打、218本塁打、157盗塁、782打点、961得点を記録した。
通算打率は0.275、通算OPS(出塁率+長打率)は0.824と、記録だけを見ても“粘り強さ”の代名詞であることがわかる。
2018~2020年の3年間ではOPS 0.810を記録した。30代半ばを過ぎても優秀な打者として活躍した証拠だ。
MLB公式トラッキングシステムのスタットキャストによる指標も優れている。
昨シーズンはOPS 0.723と振るわなかったチュ・シンスだが、平均打球スピードは90マイルで上位29%、空振りと三振の割合はそれぞれ最小の14%と31%だった。年齢を重ねても球を強く飛ばし、選球眼も健在であることを証明する数値だ。
2019年には平均打球スピード91.9マイルで上位8%、ハードヒット(打球スピード95マイル以上)比率49%で、上位5%以内にランクインした。
このため、チュ・シンスが韓国でもケガなくコンディションを維持できれば、韓国プロ野球で最もパーフェクトな満39歳の打者として君臨できるかもしれない。
これまで満39歳の年齢で活躍した韓国プロ野球打者には、ペク・インチョン(77)やフリオ・フランコ(62)、イ・スンヨプ(44)が挙げられる。
かつて日本ハムファイターズや太平洋クラブライオンズ(現西武)、ロッテオリオンズ(現千葉ロッテ)、近鉄バファローズに在籍したペク・インチョンは、MBCチョンリョン(現LGツインズ)所属時の1982年に72試合に出場、打率0.412、19本塁打のOPS 1.237を記録。
そのほか、元千葉ロッテのフリオ・フランコは、サムスン・ライオンズ所属時の2000年に132試合出場、打率0.327、22本塁打、OPS 0.912を記録し、千葉ロッテや巨人、オリックスで活躍したイ・スンヨプは、サムスン所属時の2015年に122試合出場、打率0.332、26本塁打、OPS 0.949の数値を挙げた。
いずれの選手も、引退を間近に迫った年齢で絶頂のパフォーマンスを披露した。
だからこそ、チュ・シンスの活躍を期待せざるを得ない。2年前にキャリアハイの最多本塁打(22本塁打)を記録した長打力、打者に有利なホーム球場、そしてMLBと韓国プロ野球の投手レベルの差を考慮すれば、満39歳で初めて30本塁打以上を達成できる打者になるかもしれない。
この10年間、イ・スンヨプやイ・デホ(38、ロッテ・ジャイアンツ)、キム・ヒョンス(33、LG)、パク・ビョンホ(34、キウム・ヒーローズ)らMLB経験者が韓国復帰直後すぐに大活躍したように、チュ・シンスも自身初の韓国プロ野球の舞台で圧巻のパフォーマンスを披露してくれることに期待したい。
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