球団としてはこれといった方法がない。いつ吹き荒れるかわからない校内暴力問題に気をもんでいるだけだ。だからといって、ただ傍観するわけにもいかない。
韓国野球委員会(KBO)が今後の新人ドラフトを申請制に変更し、申請の際に学校生活記録簿(生記簿)を添付する案を検討している。
KBO関係者は2月23日、「昨年の実行委員会から新人ドラフト申請制に関する議論が引き続き行われている。まだ理事会まで上がっておらず、実務者と協議しながら不足な部分を補完している」とし、「申請制までは無理なく行われると思うが、申請時の生記簿の添付は現時点で強制できない。ひとまず、申請制に移行した際は学校長の同意のもと、選手本人が申請する形になるのではないかと思う」と述べた。
ドラフト申請制は珍しいことではない。KBOは海外から復帰した選手や学生時代の野球部活動経験がない選手にも、プロへの門戸を開いている。
イ・ハクチュ(30、サムスン・ライオンズ)やイ・デウン(31、KTウィズ)、キム・ジンヨン(28、ハンファ・イーグルス)、ソン・ホヨン(26、LGツインズ)ら過去に海外でプレーした多くの選手が、新人ドラフトを通じて韓国プロ野球入りを果たした。
さらには、野球部での活動経歴がまったくないハン・ソンテ(26)も、2019年にLGに入団した。彼らは皆、KBOが告知した期間に合わせて新人ドラフト申請書を提出し、プロの舞台に上がった。
ただ、現在のプロ選手の大半は、別途の申請書もなくプロ入りした。昨年までは、卒業を控えた高校野球部、大学野球部の部員であれば自動的にドラフトに参加できた。申請の手続きもなく、球団が卒業対象者を把握して新人ドラフトを進めていた。
そこでKBOは、高校及び大学の卒業対象者も申請を通じてプロに入団するよう、制度の変化を進めている。受験生が大学修学能力試験(日本でいうセンター試験)の願書を送付したり、求職者が企業に願書を送付したりするように、韓国プロ野球入りの際もドラフト申請書を提出するのだ。
もちろん、申請書だけで校内暴力問題を解決することはできない。校内暴力根絶のためには生記簿の添付も必要だ。
KBOが述べた通り、ドラフト申請書に生記簿の添付を義務事項として入れることはできない。この部分は文化体育観光部と教育部の協約が必要だ。
実際に24日、文体部と教育部は政府ソウル庁舎で第4回社会関係長官会議を開き、「学校運動部暴力根絶及びスポーツ人権保護体系改善案」を審議、議決した。これにより、プロスポーツ球団や実業団、大学運動部が選手を選抜する際、校内暴力の履歴を確認し、選抜を制限することができる。
KBOの関係者は「次回の新人ドラフトからこれを適用できる」と述べた。つまり、ドラフト申請の際に生記簿を添付させるか、誓約書を書かせるかなどの方法を通じて、プロ入りの段階から校内暴力加害者を選別する見通しだ。
昨年のドラフトは縁故地域の1次指名が8月31日に締め切られ、2次新人ドラフトが9月21日に行われた。新型コロナウイルス感染症によってアマチュア大会の開催が延期され、新人指名も後回しにされた。
今年は1次指名と2次新人ドラフトのいずれも、1カ月程度繰り上げられる可能性が高い。
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