韓国プロ野球の“誤審問題”、公平性を追求するためにはさらなる議論を

スッキリとしない結果だったが、両チームの監督は似たような反応だった。

誤審を減らすための措置を講じた今シーズンだったが、シーズン終了後にさらなる検討を重ねる必要がある。試合時間の短縮も重要だが、野球ファンに愛されるリーグとなるため、大きな第一歩が必要な時期が来ている。

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韓国プロ野球LGツインズのユ・ジュンイル監督は、10月4日に行われたKTウィズ戦の8回を振り返り、「あの場面で2回ビデオ判定を申請した。審判団が来て誤審と判断されたら(判定結果を)変えると言われた」とし、「あの場面では我々が得をしたが、どんな状況であれ、誤審であるなら潔く認めて覆すことが重要だと考えている」と見解を述べた。

また「明らかな誤審を審判が野放しにすることは、審判が非難を受けることにつながる。ビデオ判定もそうだ。ビデオ判定を使用しても判断が曖昧であれば、審判が翻意して審議を覆すことがあってもいいだろう。シーズン終了後に議論を交わせたらと思う」と付け加えた。

あの時、何が起こったのか?

事の発端はこうだ。去る10月4日に水原(スウォン)で行われたLGツインズとKTウィズの試合で、8回表、代打チョン・グンウの打球を三塁審がファウルと宣言した。KTの守備陣はフェアだと思いプレイを続行。打球はフェアゾーン内で落ちたかに見えたが、三塁審の判定に基づきファウルとなった。

判定をめぐって審判と話すKTウィズのイ・ガンチョル監督(左)

当時LGはすでにビデオ判定を2回とも使い切っていたため、判定を覆す手立てがなかった。しかし、すぐに審判団が集まり、4人の審判の合意に基づいて判定が覆された。覆った判定により、チョン・グンウの打球はファウルから適時打へと変わり、7-7の同点となった。

この試合は最終的にLGが13-8で勝利することとなった。 

LGの立場としては値千金の判定だったが、逆にKT側からするとモヤモヤが残る判定だった。これまでは審判団の合意により判定が覆されることは極めてまれなケースだったからだ。

ところがKTのイ・ガンチョル監督は当時の状況を振り返り、審判へ怒りではなく拍手を送った。イ・ガンチョル監督は10月6日、「今後も難しい状況が生じた場合は4人の審判の合意で判定を下してもらいたい。誤審を認めたことは勇敢なことだと思う」とし、「判定への不満はない。KTが損をしたという考えもない」と述べた。

韓国野球委員会(KBO)は今シーズンを控え、昨年まで使用していた審判のビデオ判定による裁量規定をなくした。イ・ガンチョル監督は当時、KTが所有していたビデオ判定を使用し、誤審を再度確認させた。すでに審判が判定を覆した状況で、審判の裁量によるビデオ判定を試みたものである。

スポーツのおもしろさは公平性にある。韓国プロ野球は2014シーズンの後半からビデオ判定制度を施行した。そしてビデオ判定を通して、これまで数多くの誤審を正してきた。

ところが、制度的な限界か、判定を覆すことができなった場面も存在する。4審判による合意制度、審判の裁量によるビデオ判定再導入など、公平性を保つための制度強化を改めて議論する必要がある。試合時間短縮も重要だが、公平さを保つリーグを作ることがより重要だ。

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