バレンシア内で、韓国代表MFイ・ガンイン(19)の立場に変化が起きつつある。
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イ・ガンインは去る9月26日(日本時間)、本拠地メスタージャで行われたラ・リーガ第3節ウエスカ戦で先発を外れた。彼は試合開始からベンチで戦況を見続け、後半40分になってようやくピッチに足を踏み入れた。
今シーズン、初めてイ・ガンインが先発で出場しなかったバレンシアは、昇格組のウエスカと接戦の末に1-1のドローで試合を終えた。
イ・ガンインは出場時間が徐々に減ってきている。
彼は開幕節のレバンテ戦で先発出場し、71分間プレーした。自身も2アシストを記録する活躍ぶりを見せ、体力温存のため後半途中にピッチを退いた。
続く第2節のセルタ・デ・ビーゴ戦でもイ・ガンインは先発出場したが、ハーフタイムで交代された。そして、今回の第3節ではベンチスタートとなり、わずか5分程度のプレーにとどまった。ロスタイムを含めても、10分にも届かない短いプレータイムだった。
当初、イ・ガンインは今シーズンのバレンシアで主軸として起用されるかに見えた。
クラブは退団が噂されたイ・ガンインを引き留めるため、出場時間はもちろん、彼に合ったポジションでの起用も保障した。実際、開幕戦でも最高のパフォーマンスを披露しただけに、以降も主力としての地位を築くかに思われた。
だが、そうした期待とは裏腹に、イ・ガンインの出場時間は減少傾向にある。チーム内での立場に異常な気流が現れている雰囲気だ。
イ・ガンインのパフォーマンスがチームメイトよりも衰えているわけではない。
彼はセルタ戦でパス成功率100%を記録し、攻撃面で潤滑油の役割を果たした。ウエスカ戦でも、終盤からの出場ながら創造的なパスや正確なキックでチームに活気を与えた。イ・ガンインの投入によって、チーム全体のパフォーマンスは生き返った。
1ゴールが急がれる状況で、攻撃の確実なオプションであるイ・ガンインを試合終了間際に投入したハビ・グラシア監督の采配に疑問が感じられたのも、彼の優秀なパフォーマンスがあってこそだった。
現在、バレンシアとイ・ガンインは再契約が近づいているという。クラブ側はイ・ガンインと3年間の契約延長を成功させるべく、全力を注いでいるようだ。ユースチーム時代から籍を置き、トップチームまで上り詰めてみせたイ・ガンインも、残留する方向に決めた。
だが、今のような雰囲気では、イ・ガンインにとって再契約はあまり役に立たないかもしれない。出場時間やチーム内での立場が昨シーズンと大きく変わらないのであれば、あえて長期契約を受け入れる理由もない。
一時的な現象であれば問題ないが、グラシア監督にそっぽを向かれる事態になれば再契約はかえって毒になる恐れもある。
セルタ戦では、フリーキックのキッカーをめぐって主将のホセ・ルイス・ガヤ(25)とイ・ガンインが口論する場面もあった。こうしたさまざまな面を見ても、バレンシア内の足並みが完全にそろっているとは言えないだろう。
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