腎梗塞による離脱から復帰したセントルイス・カージナルスのキム・グァンヒョン(31)が、無失点の好投でクオリティ・スタート(QS/先発6イニング以上で3失点以下)と健在ぶりをアピールした。
さらには、メジャーリーグ(MLB)進出後最多となる7イニングを消化した。
キム・グァンヒョンは9月15日(日本時間)、ミラー・パークで行われたミルウォーキー・ブルワーズとのダブルヘッダー第1戦で先発登板し、7イニング6奪三振の無失点と力投した。
試合は、お互い無得点で迎えた延長8回裏にサヨナラ犠牲フライを許したカージナルスが1-2で敗れている。
特有の速いテンポに思い切りの良い投球で、キム・グァンヒョンがブルワーズ打線を封じ込めた。安打と四球をそれぞれ3つずつ許したが、無失点投球の妨げとはならなかった。
60試合制のハードスケジュールを消化している今シーズンのMLBは、ダブルヘッダーを行う場合は第1戦を7イニングで開催する。そのため今回、キム・グァンヒョンは事実上の無失点完投をしたと言える。
投球数は87球で、ストライクは54球を投げた。80球程度が最大値と予想されたが、カージナルス率いるマイク・シールド監督は1試合の大半をキム・グァンヒョンに投げさせた。それほど、球威が優れていたということだ。
1回から148キロのフォーシームファストボールを駆使したキム・グァンヒョンは、ブルワーズ打線相手に左右のストライクゾーンを幅広く活用した。打者の視線を揺さぶり、タイミングを外そうという意図がうかがえた。
特に目についたのは、フォーシームファストボールとスライダーの2球種を、少なくて4種類、多くて8種類に見えるかのように投じたことだ。
右打者の内角に突き刺すフォーシームファストボールには少し変化を与え、カットファストボールのように見せた。143キロのフォーシームファストボールが内角に曲がって切れ込むと、良い打撃を見せていたアビサイル・ガルシアのバットが真っ二つに折れた。ここに、121キロまで球速を落としたスライダーが135キロの高速スライダーと絶妙な調和を成し、ブルワーズ打線のタイミングを奪った。
相手打者が積極的な姿勢を見せれば、108キロのスローカーブを低めに投げてバットを振らせた。制球と緩急調節、試合運営能力などすべてが目立った、まさに華麗な復帰登板となった。
今回の試合で24イニング連続自責点ゼロとなったキム・グァンヒョンは、防御率を0.63にまで下げた。先発登板した5試合では25.2イニングで自責点1とするなど、完ぺきな姿を維持してみせた。
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