「見慣れた顔」を選抜した司令塔の選択はどんな結果になるだろうか。
韓国代表のパウロ・ベント監督はアジアカップのエントリーメンバーにチ・ドンウォンとク・ジャチョルら、ドイツ・ブンデスリーグのアウクスブルクに所属する別名“地球特攻隊"デュオを加えた。
チ・ドンウォンとク・ジャチョルの姓を合わせるとチグとなり、チグは「地球」ともなるのでそう呼ばれている。
2人は長く欧州で活躍してきたが、韓国代表での存在感は微妙だ。
チ・ドンウォンは今年9月のAマッチに出場したあとに負傷し、最近復帰した。ク・ジャチョルも今年11月のオーストラリア遠征で負傷し、チームを途中下車した。
このようにベント監督赴任後はいうまでもなく、その前も韓国代表ではこれといった活躍ができなかったため、アジアカップの出場も不透明に見えた。
しかし、ベント監督は安定を選んだ。ニューフェイスを抜擢する代わりによく知る“見慣れた顔”を選んだ。「旧館こそ名館」という判断を下したわけだ。2人はベント監督の期待に応えなければならないだろう。
(参考記事:アジアカップ韓国代表から勢いあるロシアW杯組や欧州組が外されたワケ)
チ・ドンウォンにとって今回のアジアカップは2011年大会以来8年ぶりとなる。
2011年大会で満19歳だったチ・ドンウォンは当時、グループリーグ3試合と決勝トーナメント全試合に出場した。4ゴールを決めて、韓国代表のキャリアを華やかにスタートさせた。8年ぶりとなるアジアカップを前に、チ・ドンウォンは語る。
「(アジアカップには)必ず行きたかった。 最後に選ばれてありがたく思う。久しぶりにアジアカップに行くことになった」
チ・ドンウォンの最大の長所は連携プレーで表れる 最前線とサイドを消化できるスタイルなので、チームメイトとの呼吸にも異質感はない。
ファン・ウィジョが自ら解決するスタイルのストライカーとすれば、チ・ドンウォンはチームメイトにチャンスを提供するタイプだ。それを認めつつ、チ・ドンウォンは語る。
「ファン・ウィジョはとてもよく点を決めている。最前線でゴールに向けた動きを展開できる選手だ。僕はチャンスを作ることに集中しなければならない。 2列目のメンバーがとても良いので、彼らを活用できればいい。MF陣と有機的に攻撃のチャンスを作りたい」
ク・ジャチョルもチ・ドンウォンのように、2011年アジアカップで頭角を現した選手だ。
当時、韓国代表を率いたチョ・グァンレ監督が採用した「ゼロ・トップ戦術」の主人公になり、大会5ゴールを決めて得点王に輝いた。
その活躍を踏み台にしてドイツに進出。あれから8年が過ぎ、Aマッチ71試合を消化したベテランになったク・ジャチョルは、若い後輩たちを率いてアジア征服に乗り出そうとしている。
今回の韓国代表にはアジアカップの経験がない若い選手たちも多い。 ク・ジャチョルのように経験豊かな選手たちが、チームの柱にならなければならない。ク・ジャチョルは語る。
「個人的に3回目のアジアカップを迎えることになった。若い選手たちと練習してみると、韓国サッカーは今後数年間心配にならないと感じるほどだ。
2011年アジアカップのとき、僕はまだ21歳だった。当時はパク・チソン、イ・ヨンピョ、チャ・ドゥリ、イ・ジョンス、チョ・ヨンヒョンといった先輩たちがよく指導してくれた。 今度は僕がもう一度何かを成し遂げられるよう頑張る」
過去の先輩のように今度は自分がベテランの役割を務めたい。“地球特攻隊”はそんな決意を秘めて決戦の地に向かう。
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