「年俸は相当ある。Kリーグ1(1部)でも上位圏に入る」と笑った彼女は、「2年目からチームが変わり、年俸も変わった。チームでは最上位圏に該当する。アジアから来たけど、チーム内での自分の立場は良好だ。あの頃とは環境が大きく変化した」と話した。
チームに対する愛情も大きい。チェルシーのエースとしてCLでも活躍するチ・ソヨンは、欧州名門クラブのリヨンやユベントスからオファーを受けたことがあった。女子サッカー最強国のアメリカからもラブコールがあったほどだ。
しかし、チ・ソヨンは一貫してチェルシー残留を表明してきた。「正直、興味はあった。どこも素晴らしいチームだし、新たな挑戦にも意味があると思った」としながら、彼女はオファーを断った理由を次のように語る。
「いざ離れることを考えたら意欲が湧かなかった。チェルシーが成長する過程は、ほかならぬ私の人生でもあった。今はチェルシーでとても幸せだ。1年単位でチームが変わるのが見える。ビジョンがはっきりしている良いチームだ」
チ・ソヨンは続けて、こんなエピソードも話してくれた。
「少し前に私がワッツアップ(SNS)のアカウントを変えて、チームのチャットルームから出てしまったことがある。そのとき、みんなが私に何か起きたのではないかと個人的に連絡してくれた。監督や選手みんなが“移籍するのか”、“行かないで”と悲しんでいて、私はわけもわからずしばらく笑っていた。些細に見えるが、私がチームで愛されているような気がして楽しかった。移籍しなくて良かったとも思った」
チ・ソヨンとチェルシーの契約は2022年までだ。無理なく再契約が行われる場合、チ・ソヨンは10年プレーすることになる。韓国男子選手でも欧州で10年過ごすことは容易ではないなか、チ・ソヨンはチェルシーで長い期間を過ごしている。
「必ずやってみたい挑戦だ。とても意味のある記録ではないか。自分が新しい足跡を残したい。私がイングランドに来た後、(チョ・)ソヒョン姉さん(ウェストハム・ユナイテッドLFC)やイ・グムミン(マンチェスター・シティWFC)らが来た。私が10年プレーすれば、誰かが私よりも欧州で大きなことをやり遂げると思う。チェルシーでチャンピオンズリーグ優勝も必ず果たしたい」とチ・ソヨンは希望を語った。
ちょうど1年前、チ・ソヨンはフランスW杯で大きな挫折を経験した。彼女のサッカー人生でも最も大変な時期だった。