ロサンゼルス・ドジャースの韓国人野手キム・ヘソンが、メジャーリーグ125年の歴史に残るパフォーマンスを披露した翌日、再びベンチに追いやられた。4安打5出塁と好守で歴史的記録まで築いたのに、これ以上何を見せれば先発の座を得られるのだろうか。
【写真】韓国メディアが撮った大谷翔平の妻・真美子さんソロSHOT
キム・ヘソンは6月1日(日本時間)、本拠地ドジャー・スタジアムで行われたニューヨーク・ヤンキース戦で先発出場し、ホームランを含む4安打5出塁を記録。華麗なダブルプレーや外野からの好送球で走者を刺すなど、攻守にわたって完璧なパフォーマンスを見せた。
アメリカの統計メディア『Opta』によると、「4安打&1本塁打」と「単独併殺&外野捕殺」をすべて1試合ですべて達成した選手は、近代メジャー125年の歴史上初めてだという。
ところが、その翌日の試合でキム・ヘソンは先発から外れた。理由はただ一つ、「相手先発が左腕投手だったから」だ。
デーブ・ロバーツ監督はこれまで通りのプラトーン・システムを採用し、ミゲル・ロハスを遊撃手に起用した。
だが、この選択が裏目に出た。ロハスは2打数無安打と沈黙し、キム・ヘソンは8回にようやく代打出場も三振に倒れ、試合も3-7で敗れた。ドジャースはこれでヤンキース3連勝を逃した。
そもそも、キム・ヘソンが前日の試合でホームランを打った相手は左腕投手だ。対左投手でも結果を出し、シーズン打率を「0.422」に引き上げ、走塁や守備でもMLBトップクラスの“ユーティリティ”として価値を証明していた。
そんなキム・ヘソンを先発から外れたということは、ドジャース全体の流れにも悪影響を及ぼしかねない。プラトーン・システムにメリットがあることも理解できるが、コンディションの良い選手をベンチに据えることはロバーツ監督の“最悪手”と言える・
キム・ヘソンのように攻守ですべて準備されている選手をシステムに基づいた起用のルーティンに閉じ込め、意味なく消耗することは、球団が望むような“効率”とも程遠い。翌3日のニューヨーク・メッツ戦では先発でプレーするキム・ヘソンを再び見てみたい。
◇キム・ヘソン プロフィール
1999年1月27日生まれ。韓国・京畿道出身。身長178cm。韓国のプロ野球選手。ロサンゼルス・ドジャース所属。高校卒業後の2017年にネクセン・ヒーローズ(現キウム・ヒーローズ)でプロデビューし、2021~2024年の4年連続でゴールデングラブ賞(2021年は遊撃手部門、2022~2024年は二塁手部門)を受賞。2025年1月3日、ドジャースと3年総額1250万ドルで契約した。韓国代表では2021年東京五輪、2023年WBC、2023年杭州アジア大会、2023年アジアプロ野球チャンピオンシップなどに出場。登場曲は自身の名前「ヘソン」にちなんで、アニメ『BLEACH』のエンディング曲で知られる歌手ユンナの人気曲『ほうき星』韓国語版の『ヘソン(彗星)』。
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