“韓国のイチロー”を先発から外したサンフランシスコ・ジャイアンツが逆転負けを喫した。
ジャイアンツのイ・ジョンフは5月2日(日本時間)、本拠地オラクル・パークで行われたコロラド・ロッキーズ戦で途中出場し、1打数無安打を記録。試合は3-4で敗れた。
イ・ジョンフはこの日、先発から外れた。対戦相手ロッキーズの先発は左腕のカイル・フリーランド(31)。今季、イ・ジョンフは左投手相手に打率0.351、右投手相手にも打率0.304と高い数字を残している。それだけに、彼をベンチに置いた判断には疑問が残る。
コンディション管理の一環だった可能性もあるが、チームが2連敗の状況で主力打者を外したことは理解しがたい。実際、試合も敗れているだけに、惜しさの残る采配となった。
イ・ジョンフは3-2とリードした8回表の守備から途中出場した。しかし、直後に登板したタイラー・ロジャーズ(34)が2失点を喫し、スコアを3-4と逆転されてしまう。
同回裏、イ・ジョンフは二死一塁の場面で初打席に立ったが、二ゴロに倒れた。結局、打席はこの1回のみで終わった。
これにより、イ・ジョンフは今季31試合で打率0.316、3本塁打、18打点、出塁率0.372、長打率0.521、OPS(出塁率+長打率)0.893という成績となった。今回の結果でOPSが0.900を下回ってしまった点が惜しい。
ジャイアンツはチーム全体で安打9本と決して少なくなかったが、得点圏で5打数1安打にとどまり、あと一本が出なかった。
もしイ・ジョンフが先発で出場していれば──そんな「たられば」が頭をよぎる一戦だった。
◇イ・ジョンフ プロフィール
1998年8月20日生まれ。日本・愛知県名古屋市出身。身長185cm。韓国のプロ野球選手。サンフランシスコ・ジャイアンツ所属。父親は1998~2001年に中日ドラゴンズに在籍したイ・ジョンボム(李鍾範)。高校卒業後の2017年にネクセン・ヒーローズ(現キウム・ヒーローズ)でプロデビューし、同年の新人王を受賞。ゴールデングラブ賞(NPBのベストナインに相当)に2018~2022年の5年連続で選ばれており、2022年はシーズンMVPと打撃5冠(首位打者、最多安打、最多打点、最高長打率、最高出塁率)に輝いた。2023年WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に出場した。2023年12月13日、米メジャーリーグのサンフランシスコ・ジャイアンツと6年総額1億1300万ドル(日本円=約164億円)で契約した。愛称は「韓国のイチロー」。
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