サンフレッチェ広島と対照的な結果だ。韓国の全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースがACL2敗退危機に陥っている。
全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースは3月6日、韓国北西部・京畿道(キョンギド)の龍仁(ヨンイン)ミルスタジアムで行われたシドニーFC(オーストラリア)とのAFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)準々決勝第1戦で0-2の完敗を喫した。
アウェイの第2戦に向けて厳しい敗戦だ。次戦は例え1点差勝利でも敗退が決まるだけに、逆転突破のためには大きな巻き返しが求められる。
試合結果は当然だが、内容はそれ以上に深刻だった。
全北は試合を通して終始シドニーに圧倒された。支配率こそ60%と上回ったが、シュート数は11本対15本。計26本のクロスを供給したものの、イタリア人FWアンドレア・コンパーニョ(28)が決定機を迎えた場面はわずかだった。
中盤ではパスミスが頻発し、わずか数本のパスで守備が崩壊する場面もあった。1点を返すことが急務な状況でありながら、攻守の素早い切り替えも見られなかった。
何より、全北はホームゲームを本拠地の全州(チョンジュ)ワールドカップ競技場ではなく、中立地の龍仁ミルスタジアムで行わなければならなかった。
アジアサッカー連盟(AFC)が全州ワールドカップ競技場の芝問題を指摘し、同会場でのホームゲーム開催を認めなかったためだ。
結局、急きょ代替会場を探した全北は、最終的に韓国南西部の本拠地・全州から約160km離れた馴染みない場所でホームゲームを戦った。
この日の観客数はわずか2561人だった。
平日夜の試合にもかかわらず、全北のサポーターはバス5台に乗って龍仁まで駆けつけ、声援を送ったが、収容人数3万7155人のスタジアムを埋めるには到底及ばなかった。
ホームゲームにもかかわらず、相手に与える圧力は感じられなかった。
なお、前日の5日に広島ホーム・広島サッカースタジアム(エディオンピースウィング広島)で行われたサンフレッチェ広島対ライオン・シティ・セーラーズ(シンガポール)は観客数6812人を記録。試合も広島が6-1で大勝した。
ホームの熱気が消えたスタジアム。代わりに響いたのはため息とブーイングだった。試合を通じて精彩を欠くプレーが続き、観客席からは失望の声が上がった。試合後には一部ファンがブーイングを飛ばす光景もあったが、それも納得の内容だった。
今季から始動したグスタボ・ポジェ新監督体制の最初の危機だ。全北は直近3試合で勝利がない。Kリーグ1では光州(クァンジュ)FCと2-2で引き分け、蔚山(ウルサン)HD FCに0-1で敗れ、今回のACL2準々決勝でシドニーに完敗を喫した。
シドニーは国内Aリーグで13チーム中7位に位置するチームなだけに、この敗戦は全北にとって大きな意味を持つ。
シドニー戦の敗北は、今後の日程にも悪影響を及ぼす可能性がある。
全北はシドニー戦から中2日の来る9日、ホームの全州ワールドカップ競技場で江原(カンウォン)FCとのKリーグ1第4節を戦った後、オーストラリアに移動して13日に準々決勝第2戦を行う。その後、中2日で16日に浦項(ポハン)スティーラーズとのKリーグ1第5節が控える。この3試合の結果次第で、国際Aマッチによるリーグ中断期間のチームの雰囲気が決まることだろう。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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