2月より開幕する2025年シーズンのKリーグ。蔚山(ウルサン)HD FCが昨季2連覇を達成したKリーグ1は2月15日より、仁川(インチョン)ユナイテッドがクラブ史上初めて降格したKリーグ2は2月22日より新シーズンの幕を開ける。
日本人選手も現時点で1・2部合わせて4人がプレー。Kリーグ1は石田雅俊(大田ハナシチズン)と吉野恭平(大邱FC)、Kリーグ2は高橋一輝(富川FC 1995)と佐藤岬(忠南牙山FC)という顔ぶれだ。
そこで今回は、2025年シーズンのKリーグにおける昨季からの変更点などを紹介しよう。
華城(ファソン)FCがKリーグ2に新規参入したことで、2025年シーズンからKリーグは1部12チーム、2部14チームの計26チーム体制で運営される。
2025年シーズンのKリーグ2は、計14チームが各39試合を消化。シーズン通して合計275試合が行われることになる。
なお、華城FCは京畿道(キョンギド)華城市をホームタウンとし、2013年1月に設立されたクラブ。設立以降はセミプロで活動し、昨季までK3リーグ(3部相当)に所属していたが、2024年11月の韓国プロサッカー連盟理事会でKリーグ加入案件が通過。これにより、Kリーグ2における14番目のチームとして正式にプロ参入を果たすことになった。
そんなプロ参入初年度の華城FCを率いるのはチャ・ドゥリ監督。現役時代にW杯2大会にも出場した韓国代表DFが、韓国代表コーチやFCソウルのユースコーチ、ユース強化室長などを経て、自身初のプロ監督に挑戦する。
2025年シーズンより、Kリーグの外国籍選手は国籍を問わず、△Kリーグ1は最大6人登録・4人同時出場可能、△Kリーグ2は最大5人登録・4人同時出場可能で構成される。
このため、既存のアジア枠、東南アジア枠はいずれも廃止となった。
選手の安全のため、Kリーグでは2025年シーズンより脳震盪交代制度が導入される。これは昨年3月、国際サッカー評議会(IFAB)で脳震盪交替制度の導入を最終承認したことによる決定だ。
このため、各チームは1試合において最大1人の「脳震盪による交代」が可能となる。「脳震盪による交代」は、既存の交代人数とは関係なく行うことができる。
また、試合中にどちらかのチームが「脳震盪による交代」を使用した場合は、相手チームも既存の交代人数とは関係なく、追加で1人を交代させることができる。
「脳震盪による交代」を実施するかどうかは、チームの医療スタッフが決定する。
外国籍を持つユース選手が韓国国内のアマチュアチームに所属して一定期間以上活動した場合、Kリーグの新人選手登録において、当該の選手を「国内選手」とみなす「ホームグロウン制度」制度が導入される。
このため、プロに初めて入団する年を基準に、直近3年連続、または計5年以上、韓国国内のアマチュアチーム所属で登録したことのある選手は外国籍選手枠を適用せず、国内選手として認める。
プロ初入団時の契約条件はKリーグ選手規定による新人選手の契約条件を適用し、1チーム当たりの枠は1人となる。
正常な試合を開催できないほど、ピッチコンディションが深刻な不良である場合、韓国プロサッカー連盟がホームとアウェイの会場を変えるか、ホームチームに中立地を探す義務を課すことができる。
これは試合レベルを高め、負傷を防止することとともに、試合会場の管理主体に責任性と警戒心を付与するための決定だ。
AFCチャンピオンズリーグ、FIFAクラブワールドカップなど国際大会に参加するチームをサポートするために試合日程を調整する必要がある場合、相手チームの同意がなくても、韓国プロサッカー連盟が職権で日程を調整することができる。
これは国際大会参加チームに対する一定の配慮で競争力を強化する一方、国際大会のトーナメント並行によるリーグ日程の不安定さを防止するためだ。
△クラブが選手をレンタルする、あるいはレンタルさせることができる最大人数が、FIFAの規定によって、それぞれ既存の「5人」から「6人」に拡大された。また、同一クラブ間の選手をレンタルする、あるいはレンタルさせるケースも、それぞれ既存の「1人」から「最大3人」に拡大された。レンタルの最長期間は1年だ。
△クラブの財務情報を収集・管理できるプログラム「Kリーグ・ファイナンシャルマネージャー」が導入される。これを通じてすべてのクラブの財政資料を電算化し、正確性と透明性を向上させ、効率的な財政健全化制度を運営する計画だ。具体的な導入時期は今年4月を予定している。
(文=ピッチコミュニケーションズ)
前へ
次へ