通算100得点が目前に迫っている。ソン・フンミン(トッテナム)は今や、ヨーロッパでも誰もが認める選手だ。
ソン・フンミンは11月25日、ロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われたチェルシーとの2018-19プレミアリーグ第13節の後半9分、チーム3点目となるゴールを決めた。ソン・フンミンの得点で勢いに乗ったトッテナムは、チェルシーを抜いてリーグ3位に浮上。ソン・フンミンにとっても、意味の大きい得点だった。チェルシー戦のゴールは、彼にとって今季リーグ初得点だった。同時にヨーロッパ進出後、1軍の舞台で決めた99点目のゴールでもある。あと1ゴールで、通算100得点の金字塔を建てることになる。1軍デビューから8年で辿りつく記録だ。
ソン・フンミンは高校在学中の2008年に、ブンデスリーガ・ハンブルガーSVのユースチームに移籍した。それから着実に成長したソン・フンミンは18歳となった2010年10月30日、ケルンとのブンデスリーガの試合で、1軍として初ゴールを決めた。10代でブンデスリーガに適応したソン・フンミンは、2011-12シーズン、リーグ27試合に出場して5ゴールを記録。2012-13シーズンには12ゴールで、初めて二桁得点に成功した。2013年夏にレバークーゼンへ移籍した彼は、2013-14シーズンのリーグとカップ戦を含めて12得点をあげ、翌シーズンも17得点を達成して、本格的にゴールゲッターとしての資質を見せ付けた。
トッテナムに移籍した2015年のシーズンこそ停滞したものの、2016-17シーズンはリーグ14得点、カップ6得点、UEFAチャンピオンズリーグ1得点で計21得点をあげ、ワールドクラスの選手として注目を集めた。昨シーズンも18得点。今季はワールドカップやアジア大会の影響もありゴールから遠ざかっていたが、Aマッチ休息期に体力を補充した後は、得点に成功している。この日のゴールは、ソン・フンミンがトッテナムのユニフォームを着て決めた50得点目のゴールでもあった。
韓国人選手としてヨーロッパの舞台で通算100得点を達成したいのは、現在までチャ・ボムグンが唯一だ。チャ・ボムグンは1978年から11シーズンで通算121得点をあげている。リーグで98得点、カップで13得点、UEFA主催の大会で10得点を記録した。
ソン・フンミンはチャ・ボムグンよりも得点ペースが速い。ソン・フンミンはヨーロッパで9シーズンをプレーしているのだが、彼が過去2シーズンの間に40得点近くをあげていることを踏まえると、チャ・ボムグンの記録を上回る可能性は高い。韓国サッカーの伝説といえるチャ・ボムグンを超える日がそう遠くないということである。さらにソン・フンミンはまだ満26歳だ。ヨーロッパでプレーする時間もたくさん残っている。パク・チソンやキ・ソンヨンは得点をあげる選手ではなかったため、ソン・フンミンのゴール記録はさらに注目を集める。韓国サッカーの絶対的エースであることを自ら証明しているのだ。
韓国人選手と比較したときだけ、ソン・フンミンが特別に思えるわけではない。1992年生まれのソン・フンミンは、欧州全体で見ても間違いなくトップクラスの得点力を備えた選手だ。