長谷部誠(40)や岡崎慎司(38)、宇佐美貴史(32)らとチームメイトだった元サッカー韓国代表MFク・ジャチョル(35、済州ユナイテッド)が現役を引退する。
済州(チェジュ)ユナイテッドによると、ク・ジャチョルは2024年シーズンを最後に現役引退を決意したという。
12月末に済州との契約期間が終わる状況で、スパイクを脱ぐ決断を下したようだ。クラブは近日中に引退会見の場を設ける予定だ。
1989年2月27日生まれで35歳のク・ジャチョルは、韓国サッカーを代表する選手として長年活躍した。
高校卒業後の2007年に済州でプロデビューしたク・ジャチョルは、1年目にリーグ戦10試合1ゴール2アシストを記録すると、4年目の2010年にはリーグ戦26試合5ゴール11アシストとブレイク。直後の2011年アジアカップでは5ゴールの活躍で得点王に輝き、大会直後の2011年1月にドイツ・ブンデスリーガの名門ヴォルフスブルクへと移籍した。
ク・ジャチョルはドイツでも長い間活躍した。ヴォルフスブルクのほかアウクスブルクやマインツにも在籍し、ブンデスリーガで通算8年間プレーした。厳しいドイツの舞台で、韓国人選手としてはもちろん、アジア人としても新たな道を切り開く役割を果たした。
また、ドイツ時代にはヴォルフスブルクで長谷部誠、アウクスブルクで細貝萌(38)や宇佐美貴史、マインツで岡崎慎司や武藤嘉紀(32)など、多くの日本人選手とチームメイトだった。今季は横浜F・マリノスから済州にレンタル移籍したMF吉尾海夏(26)ともプレーした。
そんなク・ジャチョルは、韓国代表の中心選手でもあった。
2008年に18歳でA代表デビューしたク・ジャチョルは、通算76試合に出場して19ゴールを記録した。世代別代表では2009年U-20W杯、2010年広州アジア大会に出場したほか、2012年ロンドン五輪では銅メダル獲得の主役として大活躍した。
今も韓国サッカー界で語り継がれる「ロンドン神話」において、絶対に欠かすことのできない選手がまさにク・ジャチョルだ。特に、日本との銅メダル決定戦での得点シーンは、韓国サッカーの歴史に残るゴールとして知られている。
また、ワールドカップは2014年ブラジル大会、2018年ロシア大会の2大会に出場した。いずれもグループステージ敗退に終わり、ベスト16進出の喜びを享受することはできなかったが、代表になくてはならない重要な選手だった。
ドイツを経てカタールのアル・ガラファとアル・ホールに在籍し、2022年に古巣・済州へ加入したク・ジャチョル。久しぶりのKリーグ復帰で韓国サッカーファンの期待を集めたが、負傷やコンディション不良などさまざまな問題により、2022年はリーグ戦9試合1ゴール1アシスト、2023年はリーグ戦16試合とし、今季はリーグ戦わずか3試合の出場にとどまった。
そして今回、ク・ジャチョルは同世代のMFイ・チョンヨン(36、蔚山HD FC)やMFキ・ソンヨン(35、FCソウル)らよりも先に現役を退くことになった。ク・ジャチョルの通算成績はKリーグで95試合8ゴール19アシスト、ブンデスリーガで211試合28ゴール17アシスト、カタールリーグで46試合6ゴールだ。
ク・ジャチョルは現在、韓国で指導者ライセンスをB級まで取得したと伝えられているため、今後は指導者としてのキャリアを始めるものとみられる。
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