光州(クァンジュ)FC“唯一の元Jリーガー”が、川崎フロンターレとファン・サポーターに感謝を伝えた。
10月1日、等々力陸上競技場で行われたAFCチャンピオンズリーグエリート(ACL)リーグステージ第2戦では、光州が川崎Fに1-0で勝利した。
クラブ史上初のACLアウェイゲームを等々力で迎えた光州は、前半21分にアルバニア代表FWヤシル・アサニ(29)のPKで先制。
後半は川崎Fの猛攻を受ける展開が続いたが、好セーブ連発のGKキム・ギョンミン(32)を中心に点を与えず、敵地で貴重な勝ち点3獲得に成功した。
「光州FCとして初のACLアウェイゲームでしたが、多くのファンの方々に来ていただき、勝利という結果で応えることができて本当に良かったです」
試合後にそう話したのは光州のベテランDFアン・ヨンギュ(34)。かつて2013年にギラヴァンツ北九州でプレーしたチーム唯一の元Jリーガーで、今回はベンチで出場機会がなかったが、2022年から3季連続でキャプテンを務める光州の精神的支柱の一人だ。
アン・ヨンギュは90分を振り返り、「序盤は我々が主導権を握り、得点を生み出しましたが、後半は終了間際まで押し込まれる展開が続きました。そこで耐え切れずにやられてしまったら逆転を許すこともあり得ましたが、選手たちが最後まで耐えたおかげで勝ち抜くことができました」とコメント。
「今回もこうして勝利を手にすることができ、試合終了のホイッスルを聞いた瞬間は本当に幸せでした」と本心を明かす。
そして、「川崎フロンターレがとても素晴らしいチームでした。我々に宿舎や練習場など、良い環境を提供していただきました。そのおかげで良い試合をお見せすることができたと思うので、本当に感謝していると伝えたいです」と、対戦相手の川崎Fに言及した。
光州の選手は試合終了直後、アウェイまで駆け付けた自軍のファン・サポーターよりも先にホーム川崎Fのファン・サポーターへ挨拶を伝え、場内から温かい拍手が送られていた。
「日本で初のアウェイゲームをこれだけ素晴らしいチームと戦えたことも光栄ですし、何よりも本当にたくさんのファンに来ていただきました。試合が終了して我々が挨拶に行った際も拍手を送ってくださり、ピッチを出る際も拍手をしてくれました。これらに対する感謝を表現する意味も込めて、我々も拍手をしました。それ以外に自分にできることがあればもっとしたかったほど、本当にありがたかったです」と、アン・ヨンギュは川崎Fファン・サポーターへの感謝を伝えた。
また、自身が北九州に在籍した当時を回想し、「日本のファンの方々が、自分たちの応援するチームに一度でも在籍した選手を最後までずっと応援してくださる文化が素晴らしいと思います。機会があればまたJリーグに挑戦してみたいと感じるほど、本当にどのチームも素晴らしいと思います」と、Jリーグ全体への思いも打ち明けた。
そんなアン・ヨンギュは最後、「KリーグとACLを並行する日程で、とても大変ではあります。でも、いつまたこのような舞台でプレーできるかはわからないので、リーグ戦でもACLでも本当に全力を尽くして準備をして、良い試合、面白い試合をお見せしたいです。アジアが我々の“光州サッカー”を証明できる舞台になれたらと思います」と、過密日程を戦い抜く決意を語っていた。
(取材・文=姜亨起/ピッチコミュニケーションズ)
前へ
次へ