韓国のプロスポーツ団体は現在、無観客試合、シーズン中断、開幕延期などで新型コロナウイルス感染拡大に対応している。
韓国内で新型コロナの初の感染者が報告されたのは、去る1月20日だ。それから2月18日に新興宗教「新天地イエス教会」の信者である31番目の感染者が発生すると、10日後には感染者数が1000人を突破。3月4日0時現在、感染者数は5328人に急増している。
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韓国のプロスポーツは事実上、オールストップの状況だ。
2月21日に女子プロバスケットボール(WKBL)が初めて無観客試合を行った。
そして2月23日に感染症危機警報が「警戒」から「深刻」段階に引き上げられると、男子プロバスケットボール(KBL)とプロバレーボールVリーグも無観客試合に。
3月2日にKBLが室内プロスポーツとして最初にリーグ中断を宣言し、続いてVリーグも中断された。
開幕の時期に“コロナ事態”となったKリーグはリーグ開幕を延期し、韓国プロ野球KBOリーグはオープン戦をすべて取り消して、開幕を延期する方向で話を進めている。
韓国スポーツ界の対応が早かったと見ることは難しい。すでに2月初めから現場では、新型コロナの感染拡大を懸念する声が大きかった。
しかし各スポーツ団体は、中継権やスポンサーなど多くの考慮すべき事項を前に悩みを繰り返し、最終的には一足遅れて決断を下したという評価だ。
特にシーズン中断のケースを見ると、初めての事態ということで積極的な決断を下せず、他のスポーツ団体の顔色をうかがうような状況も繰り広げられた。
結局、去る2月19日に水原(スウォン)ワールドカップ競技場で開かれたアジア・チャンピオンズリーグの試合(水原三星対ヴィッセル神戸)の観戦者のなかに、コロナ感染者がいたことが後になって明らかとなり、韓国スポーツ界に衝撃を与えた。
現在の問題は、いつ各スポーツのプロリーグを再開させるのかという点だ。
リーグ中断や無観客試合は、各団体の曖昧な“雰囲気”に基づいて決定された。リーグ再開にも客観的な基準が存在するわけではない。プロスポーツ団体ごとに、自ら決める必要がある状況だ。
リーグ中断や無観客試合を決めたときと同じように、お互いの顔色を見ながら決断するといった状況が再び生じる可能性がある。
とあるプロスポーツ団体の関係者は、「国が出すコロナ事態の終息宣言を待つようでは、あまりに時間がかかる。状況が好転し、雰囲気が良くなれば、今後のスケジュールについて議論しなければならないと思う」と話した。
今後も新型コロナと同じような伝染病の危機的状況が、いつ再発するかはわからない。もし次に同じような状況が起きたときは、現在よりも対応が体系的かつ迅速でなければならない。
そのためにも今回を機会に、伝染病関連のプロスポーツのマニュアルを作成することが必要ではないだろうか。
例えば、国家の感染症危機警報が「深刻」段階に入れば、すべてのプロスポーツがシーズンを暫定的に中断する、ピーク時の感染者数が一定の割合で減少すればシーズン再開を話し合うなど、細部にわたる基準を設けるべきだ。
新型コロナによって痛感したように、国民の安全と生命より重要なものはない。プロスポーツが伝染病に関連する体系的、かつ実用性の高いマニュアルを設けるべき理由だ。
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