「スンちゃん!女子野球の試合を観に来てください!」
8月17日、韓国の華城(ファソン)ドリームパークでは「2024 KOREA WOMEN'S BASEBALL INTERNATIONAL EXHIBITION GAMES」として、女子野球韓国代表と読売ジャイアンツ女子チームの親善試合が行われた。試合は12-0で巨人女子が勝利した。
この親善試合に先立ち、一人の日本人監督が、韓国プロ野球の斗山(トゥサン)ベアーズで指揮を執るイ・スンヨプ監督にこんな連絡をした。
「スンちゃん!華城で女子野球の試合が行われます。観に来てください!」
連絡をしたのは、巨人女子チームを率いて韓国にやって来た宮本和知監督だ。
現役時代に巨人一筋で活躍した宮本監督は引退後、タレントやコメンテーターを経て巨人の一軍投手総合コーチを務めた後、2022年に巨人女子チームの初代監督に就任した。
宮本監督は、イ・スンヨプ監督が現役時代、巨人に入団した2006年に縁を結んだ。2人は12歳と大きな年齢差があったが、親しく過ごした。宮本監督は「当時、私はイ監督を“スンちゃん!”と呼んで親しくしていました」と振り返る。
女子チームの監督やスポーツコメンテーターとして活動していた時期にも、イ・スンヨプ監督と連絡を取り合い、お互いの国に行くたびに顔を合わせた。
イ・スンヨプ監督が昨年から斗山の監督に就任すると、お祝いのため斗山の本拠地・蚕室(チャムシル)球場を訪れたのも、ほかならぬ宮本監督だ。
宮本監督は「昨年、イ・スンヨプ監督と斗山の後藤(孝志)コーチを見に蚕室に行きました。イ監督の船出を応援したかったんです」と笑顔で語った。
そして今回、1年半ぶりに自身のチームを率いて韓国を訪れた宮本監督は、イ・スンヨプ監督を「2024 KOREA WOMEN'S BASEBALL INTERNATIONAL EXHIBITION GAMES」に招待しようとした。
ただ、実際に招待したところ、イ・スンヨプ監督からは「プロ野球の試合日程と重なって、残念ですが行けません」という答えが返ってきたという。
宮本監督は「女子野球が発展するためには、プロ球団の関心と支援が必要です」と話す。また、「女子野球が究極的に発展するためには、実業団チームとプロチームができなければなりません。そのためには、男子のプロ野球チームの関心が切実です」と力説した。
巨人は日本で最も伝統のある名門球団だ。そんな巨人が2021年冬、埼玉西武ライオンズ、阪神タイガースに続き3番目に女子チームを新設することが明らかになると、日本で大きな反響が起きた。
宮本監督は「巨人という球団が女子チームを作るということで、日本国内で大きな反響を呼んだ。韓国も規模の大きいリーディング球団が先頭に立ち、女子野球活性化のための支援をしなければならない」と力を込めた。
日本プロ野球傘下の女子チームは、男子プロ野球チームと同じユニホームを着てプレーする。
「同じユニホームを着てプレーすることで、選手たちがプライドを持ち、より熱心にプレーする」と笑った宮本監督は「韓国も一日も早く女子野球の実業団チームが作られ、日本とともに成長してほしい」と願いを伝えた。
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