韓国を“脱出”する外国人選手も…新型コロナで大混乱の韓国スポーツ界の現実

韓国外交部(日本の外務省に相当)によると、2月24日現在で公式に韓国からの入国を禁止した国家は、イスラエル、バーレーン、ヨルダン、キリバス、サモア、アメリカ領サモアの6カ国。

また韓国から入国した者を一定期間隔離したり、健康状態を観察したりするなど、入国手続きを強化した国は、ブルネイ、イギリス、トルクメニスタン、カザフスタン、マカオ、オマーン、エチオピア、ウガンダ、カタール、ブラジル、シンガポール、タイ、ミクロネシアの計13カ国に上る。

その他の国でも、韓国人の入国手続きを強化した国が増えており、「“NOコリア”が拡散」(『ファイナンシャルニュース』)している状況だ。

国際大会、東京五輪やワールドカップにも影響?

3月22日から韓国の釜山(プサン)で予定されていた世界卓球選手権大会は延期され、3月13日からソウルで予定されていたスピードスケート、ショートトラックの世界選手権は中止となった。

直近では、3月6日に予定されている女子サッカーの東京五輪予選プレーオフが開催の危機に立たされている。韓国女子サッカーは史上初のオリンピック出場までプレーオフを残すだけとなったが、その第1戦の開催地である龍仁(ヨンイン)市が開催拒否の意思を明らかにしたのだ。

男子サッカーのW杯アジア予選も同じで、韓国は3月26日にホームでトルクメニスタンと対戦する予定だが、開催が不透明となっている。

サッカー韓国代表

さらに前述のとおり、韓国人に対する入国禁止や手続き強化のなかで、海外組の招集にアクシデントが発生する可能性までささやかれている。最近の男子サッカーAマッチ(11月のレバノン戦、ブラジル戦)では、9カ国から韓国代表選手が招集された。

もし現在の状況が続いた場合、ナ・サンホやキム・ヨングォンなど日本のJリーグに所属する選手たちや、カタールリーグ所属のナム・テヒ、チョン・ウヨンなどはAマッチを終えてそれぞれの所属チームに復帰するとき、入国の問題が生じる可能性がある。カタールは韓国人の入国手続きを強化しており、日本も大邱(テグ)や慶尚北道などに滞在歴のある外国人の入国を拒否しているからだ。

試合を予定通り開催できるかだけでなく、代表選手を何事もなく招集できるのかという危惧まで出ているわけだ。不測の事態が起きれば、ワールドカップ予選にも影響が出ざるを得ない。

いずれにしても新型コロナウイルス感染症の影響で、多大な混乱を迎えている韓国スポーツ界。いつ事態が収拾されるのかがわからないだけに、関係者やファンの不安もますます大きくなっている。

(文=慎 武宏)

前へ

2 / 2

次へ

RELATION関連記事

RANKINGアクセスランキング

PHOTO写真

TOPIC「BTS」特集