「もっと圧倒して勝ちます」
かつて京都サンガF.C.、SC相模原、ザスパクサツ群馬、アスルクラロ沼津に在籍した日本人MF石田雅俊(26、大田ハナシチズン)が、チームを1部に導く覚悟を伝えた。
12月8日、1部11位の江原(カンウォン)FCと2部プレーオフ勝者の大田によるKリーグ昇降格プレーオフ第1戦がハンバッ総合運動場で行われ、ホームの大田が1-0で勝利した。
これにより、大田は来る12日に江原FCホームの江陵(カンヌン)総合運動場で行われる第2戦を引き分け以上で終えれば、大田は2015年以来7年ぶりとなる1部昇格が決定する。
この日、石田は3-4-3の中盤で先発出場。前半24分にはペナルティエリア手前で巻いたシュートを放ち、決定機を迎えると、後半5分にはMFイ・ヒョンシク(25)の決勝点となる先制ゴールをアシストした。その後、後半36分に筋肉のけいれんを起こしてDFキム・ミンドク(25)と交代したが、チームは1点を守り切り勝利を収めた。
石田は試合後に記者会見に出席。「前半序盤から圧倒的なパフォーマンスを見せて、2ゴール以上決めて結果を残したかったが、思ったよりオーバーペースになってしまい難しさがあった。幸いにも失点することなく、決勝点を守って勝利できた」と試合を総括した。
昨季に水原(スウォン)FCを1部昇格に導いた後、今季開幕前に江原FCへと移籍した石田。ただ、負傷などもあって思うような活躍を見せられず、夏の移籍市場で大田にレンタル移籍した。半年前まで在籍していたレンタル元と昇格・降格を懸けた試合を戦っただけに、いつにも増して意欲は大きかったはずだ。
「正直、江原FC戦を準備しながらまったく気を遣わないようにしていたが、試合前になって何か沸き上がってくるものがあった。そこで普段より意識するようになって、前半戦に平常心を失いオーバーペースになってしまった」
石田は去る10月、プロ初のハットトリックを達成した試合後のヒーローインタビューで、通訳に頼らず自らの韓国語で「これまでのサッカー人生を振り返ると、自分は敗者だと思っています。それでも、こうして人生を変えられる試合がいくつもあります。いずれにしても、昇格のために人生を懸けます」と伝え、韓国国内で爆発的な反響を起こした。石田の言葉に導かれるように、大田もプレーオフを勝ち抜いて今では1部昇格を目前としている。
このように、自分のメッセージがチームに良い効果をもたらしているのではないかと問われると、石田は「チームメイトが意識しているのだと思う。率直に言って、人生を懸けるかどうかは置いといて、体だけを動かすのではなく、頭の中でどうやって動いてプレーして結果を出すべきかをまず考えなければならない。(人生を懸けるかどうかを)考えるのは自由だが、いつの間にかそういう方向に変わったと思う」と述べた。
石田は最後に、「アウェーで引き分けても昇格できるが、必ず圧倒して勝利し、昇格したい。今日よりもコンディションが良くなると思う。(第1戦まで)1カ月間の空白期間があったので難しい試合になった。第2戦では十分にパフォーマンスを発揮できると思う。もっと攻撃的に戦って得点し、昇格できるようにしたい」と力を込めた。
■【一問一答】「自分は敗者」石田雅俊が韓国で挑戦を続ける理由
前へ
次へ