「絶対に復帰を焦ってはならない」
右腕を骨折したソン・フンミン(27・トッテナム)と関連して、年代別韓国代表の主治医を経験したチョン・テソク博士(第一整形外科スポーツ医学センター長)は、上のように強調した。
チョン博士は2月19日、本紙『スポーツソウル』との取材で「ソン・フンミンの復帰について8週間ほどという話が出ているが、骨折した骨が完全に回復するには通常12週間以上かかる」と説明した。
そして「手術後、痛みを伴わずに活動可能な時点は4~6週間後だ。その時点で選手自らが復帰を検討することもあるが、骨癒合(骨折の修復を促進する増殖性の生理学的プロセス)がなされていない状態で運動すると、無理がかかる可能性がある」と述べた。
何よりも3年前にも骨折した右腕ということで、懸念は小さくない。
ソン・フンミンは2017年6月14日、カタールとのワールドカップ予選で相手DFと空中で競り合って着地した際、右腕を負傷した。当時、右腕の前腕骨骨折(橈骨骨折)の診断を受けた。
前腕骨は肘と手首をつなぐ骨で、橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ)から成る。今回の負傷部位は、まだ具体的に確認されていない。
ただ2月16日のアストン・ヴィラ戦でソン・フンミンが負傷したと思われるキックオフ30後の映像を見ると、右腕の前腕骨を負傷している可能性が高い。3年前に骨折した橈骨を再び痛めたのかどうかを知るためには、精密検査が必要だ。
それとは別に、同じ右腕を骨折したということで、ソン・フンミンに深いトラウマが残る可能性もある。手術の成功に加えて、精神的な治療も伴われなければならない。
ソン・フンミンは“主砲”ハリー・ケインをはじめ、ムサ・シソコなど主力選手が負傷離脱したトッテナムで救世主としての役割を果たしてきた。この間、5試合連続ゴールを決めたりもした。ソン・フンミンの思わぬ離脱で、チームの失望も大きいようだ。
前出のチョン博士は、だからこそソン・フンミンは早期復帰にこだわらず、完全に回復することに集中すべきと助言した。ソン・フンミンは3年前にも予想とは異なり、2カ月でトレーニングに復帰し、プレートやボルトを外す手術を受けた。
チョン博士は「サッカーは上半身をあまり使わないように見えるが、非常に重要だ。特にストライカーは守備を振り切る過程で、上半身を多用する。ソン・フンミンのようなスプリンターは、腕から作られる勢いもすごい」とし、「ウエイトトレーニングなど上半身を基盤にする運動にも(腕が完全でない場合は)制限がかかるため、管理をしっかりする必要がある」と強調した。
ソン・フンミンのチームに対する責任感は、骨折をこらえて出場したアストン・ヴィラ戦ですでに証明された。骨折という大怪我のなかフル出場し、試合終了直前の決勝ゴールを含めたマルチゴールを記録した。
チョン博士はその試合について、「実際に(以前手術した後)プレートを除去していなければ、我慢しながらプレーすることも可能だろう。ソン・フンミンの場合、3年前に骨折した部位が再び骨折したと仮定すると、プレートで固定された状態であればプレーできたことになる。しかし彼はプレートをすでに除去しているだけに、本当にすごい」と驚いた。
それと同時に「微細骨折や線形骨折であれば、手術を決定しない。ヒビであれば固定すればいいが、骨折だったため、クラブは手術発表をした」と述べた。
ソン・フンミンは韓国に帰国し、手術台に上がることがわかった。
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