男子バスケットボール日本代表と対戦する韓国代表が、チーム最年少メンバーの一言で“番狂わせ”に燃えている。
アン・ジュンホ監督率いる男子バスケ韓国代表は本日(7月5日)と7日、東京都の有明アリーナで日本代表との親善試合を行う。パリ五輪を控えた日本代表が国内で行う最後の強化試合だ。
客観的な戦力では日本が韓国を上回る。
パリ五輪に向けてNBAプレーヤーの八村塁(26、ロサンゼルス・レイカーズ)と渡邊雄太(29)が合流した。BリーグMVP受賞経験のある富樫勇樹(30、千葉ジェッツ)、河村勇輝(23、横浜ビー・コルセアーズ)の“スーパーガード”も脅威だ。
そのほか、帰化選手のジョシュ・ホーキンソン(29、サンロッカーズ渋谷)やオーストラリアNBL経験者の馬場雄大(28、長崎ヴェルカ)といった実力者も揃っている。
一方、韓国は以前と比べて戦力ダウンしたメンバー構成だ。
帰化選手のラ・ゴンア(35)は代表を引退し、もういない。この10年間でゴール下を守ってきたイ・スンヒョン(32、釜山KCCイージス)、キム・ジョンギュ(33、原州DBプロミ)、イ・ジョンヒョン(30、安養正官庄レッドブースターズ)、オ・セグン(37、ソウルSKナイツ)も抜けた。
ガード陣もヤン・ドングン(42、引退)、キム・ソンヒョン(36、ソウルSKナイツ)、イ・デソン(34、ソウル三星サンダース)、イ・ジョンヒョン(37、ソウル三星サンダース)ら歴代選手に代わり、キャプテンのピョン・ジュンヒョン(28、尚武)が引き受けることになった。
今回、日本代表と対戦する韓国代表の平均年齢が24歳で、歴代最年少だ。大学生の代表チームよりわずか1~2歳年上のメンバー構成というわけだ。
それでも、代表内の雰囲気は若く、明るくなった。最年長のピョン・ジュンヒョンを中心に“MZ世代”が集まった。
特に、イ・ジョンヒョン(25、高陽ソノ・スカイガンナーズ)やハ・ユンギ(25、水原KTソニックブーム)、ヤン・ジェミン(25、仙台89ERS)、イ・ウソク(24、蔚山現代モービスフィバス)など1999年生まれの選手が主軸だ。
ユース時代から世代別代表で10年以上も連携を深めてきた彼らが、いよいよ成人代表で中心選手としてプレーする。
韓国代表は試合前日の4日午後、有明アリーナのサブアリーナで最終練習を終えた。
“サブアリーナ”とされながら、バスケコート2面が敷かれた最先端施設だった。韓国の代表選手が利用する鎮川(チンチョン)選手村よりも優れた施設だ。そんなサブアリーナで選手は90分間、実戦形式の練習を消化した。
練習を終了する際、アン・ジュンホ監督は「ここで誰が一番マンネ(末っ子)だ?ムビンか?ギサンか?ジョンヒョンか?」と全員に尋ねた。
これに2001年7月30日生まれでチーム最年少のムン・ジョンヒョン(22)が手を上げると、アン監督は「マンネが一言言ってくれ」と伝えた。
ムン・ジョンヒョンは、「明日は日本という強いチームと対戦しますが、一日だけは尊敬心を捨て、同じ相手としてコートで同等に戦うことができたら良いと思います」と堂々と話した。
ムン・ジョンヒョンの発言は、昨年3月に開催されたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で、アメリカとの決勝前に大谷翔平(29、ロサンゼルス・ドジャース)が侍ジャパンのチームメイトに伝えたスピーチを引用したものだ。
当時、大谷は「僕からは一個だけ。憧れるのをやめましょう。ファーストにゴールドシュミットがいたり、センターを見ればマイク・トラウトがいるし、外野にムーキー・ベッツがいたり、野球をやっていれば誰しもが聞いたことのあるような選手たちがいると思うんですけど、今日一日だけは憧れてしまったら越えられないんで。僕らは今日越えるために、トップになるために来たので。今日一日だけは、彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけを考えていきましょう。さぁ行こう!」と伝え、チームの士気を高めた。
そして、大谷自身も決勝で大活躍を披露し、アメリカを破り侍ジャパンを世界一に導いた。
ただ今回、ムン・ジョンヒョンが発した一言は先輩たちの“笑いのボタン”になった。彼らは「おい、誰が日本を尊敬するんだって?お前は日本を尊敬しているのか?」と笑いながら伝えた。
すると、ムン・ジョンヒョンは「記事を書かないでください。映像は消してください」と記者に頼んだ。ただ、イ・ジョンヒョンは「ぜひ使ってください」とし、ムン・ジョンヒョンの口を塞いだ。
近い世代の選手が集まった今回の韓国代表は、これまで見られなかった明るいエネルギーに満ちている。
はたしてNBAスターらへの“憧れ”を捨て、韓国が日本を破ることはできるのだろうか。最年少が放った一言に、韓国代表選手の戦意が燃えている。
(記事提供=OSEN)
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